10 違法奴隷達と野良聖女のグレンとベリスの奴隷商人達2
10 違法奴隷達と野良聖女のグレンとベリスの奴隷商人達2
【新暦586年11月9日】
オークションの会場に戻ると、奴隷達がラシーヌ様によって保護されており、奴隷紋の解除の最中だった。
「おばあさま、気を失っていた天翼族の男の子は、野良聖女のグレンのヒールで気を取り戻しまして、我が家で休ませています。もちろん聖女も一緒です。あと、一人逃げ出した男の行方を探りましたが、この街最大の奴隷商人、ガートルード家の屋敷に入るのを確認しました。」
「やはりあの家ですか?私も、真っ先に王家に反感を持っている、貴族派閥のものに資金援助して私に対抗するのはあの家だと思っていました。」
悲痛な面持ちで会話をしていましたが、僕が堪えきれずに吹き出すと、ラシーヌ様もほほほと笑い出す。
「これで、資金のことは全く心配することなくことが進められるようになりますね。おばあさま。」
「もう、笑っちゃダメよ。こんなことあなたじゃないとできないんだから。悪い子ね」
鴨葱とはこの事。ガートルード家を大義名分を持って潰す。財産没収、一族郎党処刑、貴族派閥の貴族の悪行発覚、財産没収、一族郎党処刑。増えすぎた貴族達を大幅に少なくできる。傘下の寄子貴族も、平民に落として、官職につけることで、もともと平民で優秀な民にも官職につける道が広がる。
「おばあさま、セリーヌ様に伝言です。直接悪事に関わっていないものには、慈悲をと願ってもらい、身分剥奪奴隷化。これで貴重な労働力を失わずに済みますし、セリーヌ様の名声が上がります。今回は優しさを見せて、恐ろしさは次回見せていただきましょう。」
「もちろん、伝えておくわ。」
「そうそう、今回おばあさまを見ていて、差し上げると絶対喜んでいただけるものがわかりましたので楽しみにしていてください。」
「まあ、何かしら。楽しみにしています。くれぐれも気をつけて、行ってらっしゃい。」
「はい、行ってきます。」
そうして上空に上がって周りを見回すと、ジルベールがガートルードの屋敷を見張ってくれていた。
「ジルベールお待たせ。監視してくれてありがとう。グレンも天翼族の子も他の奴隷達も無事だよ。屋敷の中には何人いるの?」
「奴隷だと思われるものが、地下の3部屋に8名いる。後は紹介の幹部従業員でどこまで腐ってるのかわからないから、全員捕縛するしかないだろうな。」
「今はさ、結界しか施してないから、地下の奴隷達には障壁をかけてあげてそれ以外の奴らには、『威圧』『グラビティ25%アップ』」
うわー。ひーーーもー助けてくれー
と呻き声が聞こえる。お前達が違法に捕まえて売り払った奴隷達も絶望の中で叫びながら助けを願っただろう。そんな奴らを無視して、屋敷の中にはいる。
ピシピシピシ
短い矢が飛んできた。
「へーまだ動けるやつがいたんだね。」
『サンダー』
強烈な雷魔法を浴びせてやる。
『グラビティ50%アップ』『反転』
強烈な重力魔法を喰らわせた状態で、反転を加えたために、奴らは天井に貼り付け状態だ。
その状態で放置して、地下に降りる。
『読心』
(ジルベール聞こえる?)
(ああ、聞こえるぞ)
(真ん中の牢の銀髪の男、あいつが首謀者の当主だ。奴隷に紛れて逃げるつもりだったらしい。)
(ほえー恐れ入る。それに気づくお前もどうかしてるよ)
(褒め言葉だって思っておくよ。)
『転移』
一人を残し全員を王大后のところに転移させた。
「不思議?あなた以外の奴隷がいなくなったこと、ジャクソン・ガートルード」
「はー、見た目はガキでも、中身はそうじゃねえってか。取引しねえか?」
「・・・・・」
「おいおい、まだまだガキだなあ。よのな・・・・・」
『ウインドカッター』
全ての指の第一関節を飛ばしてやった。
「ぐわ、ぎゃあ」
「わかってないのはお前だよ。お前はいつも狩る立場だった。でもお前は今俺の獲物だ。立場がわかってないのはお前だよ」
「こんのクソガキが。殺してやる。」
『プロテクト』
口の中に隠していた、毒針を飛ばしてきた。
チン
「切り札切るのが早すぎんだよ。早漏かおっさん。いっつも独りよがりなセックスばっかしてっからそうなんだよ。」
ジルベールにアイコンタクトで知らせる。頭の中に入ってるこいつの情報はもう全て抜き取った。
『ファイヤーボール』
ジルベールが放ったファイヤーボールがあっという間にジャクソンを燃やし切る。
まじで悪意しかない男だったな。どうやったら、あんな汚れた魂ができるんだ。
「さあ、悪事の証拠と溜め込んだお宝をいただきに行きましょう。」
ジルベールと徹底的に屋敷内外の探索を終えて全てアイテムボックスに収納した僕は、犯罪の証拠と土地、建物、蔵の中の商品、商会の権利は全てラシーヌ様に献上し、現金と宝石、金属、魔道具、などは全てこちらでいただいた。
今回の大捕物で、ミノラ王国の、2公爵家、4侯爵家、12伯爵家、30子爵家、43男爵家、23騎子爵家がアレジ王国の1公爵家、3侯爵家、20伯爵家、15子爵家、30男爵家がアンダルシア大公国の2伯爵家が罪に問われお家断絶を言い渡された。これにより、新しくできるアンダルシア王国連邦全体の面積に占める王家直轄地の割合が57%を占めることになった。




