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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
僕らの国を作ろう

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初めてのお買い物

通貨の価値ですが、

鉄貨 10円・小銅貨100円・大銅貨1000円・小銀貨1万円・大銀貨10万円・小金貨100万円・

大金貨1000万円・白金貨1億の感じです。


5 初めてのお買い物


僕は、転移してきて王都オローラをぶらぶらするなんて初めてだし、ジルベールも王子生活で自由に街を歩いたことなんてないし、結局ベロニカに頼るしかなく。


「買わないといけないものは数多あるけど、それよりも、この世界の常識が知りたい。物価とか、作法とか、地理とか、種類とか。まあでも、1日では無理だから、まずは貴族や王族に会うときに恥ずかしくない服を作ろう。」


他の二人も、うん、と強く頷くところを見ると思うところがあったのでしょう。


「では蒼様、セリーヌ様の御用達の店のお連れいたします。」


そう言って、南の方に歩き出した。この辺り、王宮からも近い王都の中では貴族街と呼ばれるエリアだ。南に降ると、裕福な庶民たちも住む若者に人気の街になる。セリーヌが連れてきてくれた店は、かろうじて貴族街の中にあるのだが、その店構えはかなり攻めてる斬新なものであった。


からんからん


気持ちのいい、鐘の音がして扉を開いて中に入ると、木の床の円形の空間が広がっていた。店の端に弧を描いたカウンターがあり、従業員と客がやり取りをしていた。


「いらっしゃいませ。ベロニカ様。」


歳の頃は16、7歳だろうか。細身の色白の男子で、細身の黒のスーツに、襟のない白のカットソーを着て、細い金のネックレスとピアスをつけている。おっとり、というかちょっとぼーっとした感じだ。


「今日はセリーヌ様はご一緒ではないのですか?」


何気なくつぶやかれた言葉が耳に入った周りの客たちが一斉に、こちらにダンボの耳を向けているのがわかった。ちょっと顔に出ていたのか、踵を返して店を出ようと動きはじめたときに、


「お待ちください。ベロニカ様いつもありがとう存じます。奥が空きましたので、どうぞこちらへ」と歳の頃50過ぎの迫力のあるおばさまが出てきて、丁寧ながら有無を言わさず強引さで僕たちを奥へと引き摺り込んだ。


後ろ手に扉を閉めると大きく「はー」と息を吐き出して、


「もう、心臓が止まるかと思ったじゃない。よかったベロニカ、無事だったのね」


そう言ってベロニカを抱きしめた。

事情がよくわからない僕はジルベールと顔を見合わせながら、しばらく待っていた。


「おばあさま、連絡もできず申し訳ありませんでした。蒼様、こちらは私の祖母で、服飾店IVYのオーナーでメインデザイナーのハーネス子爵夫人です。」


「初めましてハーネス子爵夫人、僕は、アオイ・アズール・セイント・ソーマです。縁あって今ベロニカさんと一緒に行動しています。あ、それと相棒のジルベールです。僕らは今二人でツインエンジェルって呼ばれてるって聞きました。」


「ベロニカ、ツインエンジェルって、あなた。ああ、そういうことだったのね」


「そう、蒼様とジルベール様に助けていただいて、私もセリーヌ様もみんな無事です。私は襲撃の際、命を対価に精霊魔法を使ってしまったので、蒼様がいなければ命を落としていたと思うの。私は、セリーヌ様をお助けしたい一心だったんだけど、まんまと騙されてセリーヌ様方を危険に晒してしまった。だから蒼様のそばで働かせていただいてるんです。」

そういうと、ハーネス夫人はうずくまり、両手を床について泣き出してしまった。


「ああ、なんということ、蒼様ジルベール様本当になんとお礼を申し上げればいいか。ありがとうございます。ありがとうございます。この子は本当にいい子なんですけど、私の力が足りず平民に嫁がせた娘の子供なんです。小さな頃から頑張り屋さんで。でも平民だということだけで、差別されてかなしい思いをしていたのですが、セリーヌ様に見出されて侍女にまで抜擢されて。だから想いが深くなりすぎたのだと思います。」


そんなハーネス夫人をほって置けないので、両手を掴んで優しく立たせてあげた。僕の方が背が低いからちょっと締まらないかったけど。


「ベロニカさんは何も悪くありません。すごく優秀だから、助かっていますし。主人を裏切るでなく、主人を死んでも守るなんて、誰にでもできることじゃありません。僕と関わったのもきっと偶然じゃありません。だから、戦闘訓練も始めています。もっと強くしてからお返しますね。」


そういうと、困った顔をしながら


「あの、女の子なんで、普通の侍女でいいのですが。」


「でも本人が大切な人を守れるようになりたいと望んでいるので、僕は心を鬼にしているんです。」

ふんすと胸をはる。それをほんとかお前って顔でジルベールが見てる。


「ああ、あの、蒼様、ここにきた理由を忘れています。おばあさま、私たちの盛装を数パターン用意してもらいたいの。王族や貴族と会うことが増えているので。」


「ああ、そうなのね。では早速採寸いたしましょう。ちょっと二人ほど来て頂戴。」


外にいた従業員を呼び込んで正確に体のサイズを採寸される。僕は成長期だからすぐ着れなくなるから勿体無いなとは思うけど仕方ない。採寸が終わったら、生地選びだけど僕にはさっぱり。こういう時はやっぱりこれだよね。


「あの、ハーネス夫人。デザインも生地も全てお任せします。金額はいくらかかっても構いません。あと、僕一応真神教の教主つまり教皇なんです。だから聖衣(純白のカソック)も用意してもらえますか?特に細かい決まりはないのであなたの全力でお願いします。ベロニカには夜会に出るためのドレスと靴など全てを4セットぐらい。僕とジルベールにお茶会用と夜会用の服を5セットぐらい。靴や装飾品も一緒にお願いします。」


「まあまあまあ、蒼様私の本気で素晴らしいものを仕上げさせていただきます。ベロニカは他の孫ほど何もしてやれなかったのです。お任せください。」


ちょっと怖いけど、気合い入ってるね。


「そうそう、これを夫人に渡しておきます。」

そう言って、小粒だけど透明度が高くクラックのない宝石と、僕が作った樹脂製のアクセサリーと蜻蛉玉。そしてアラクネシルクの布。準備費用として大金貨を1枚渡した。


「足りない分は請求してください。」


「蒼様これは何ですか。大金貨1枚だなんて、もらいすぎです。それでこの布は一体。この奥底から湧き上がってくる豊かな光沢、この肌触り、いつだったかはっきり思い出せないくらい昔に触ったことのある感触にそっくり」


「ああ、アラクネの生地です。なかなかいいでしょ?」


「やっぱりーー。いいですか蒼様アラクネの生地なんて王家の方でも手に入れるのは難しい極上品ですよ。こんな生地を使ってドレスを作ったら顰蹙を買うだけでは済みません。」


「そうなの?僕にとっては一番簡単に手に入る生地なんだけど。でもね、身分云々は気にしないでいいですよ。アラクネの布がそんなに貴重だって言うなら、今度王族にあげてくるし。ジョセフィン様のために置いてくればよかったね。」


僕の話について来れないハーネス夫人は困惑した面持ちでベロニカを見る。

仕方ないかと諦めたベロニカは話し始める。


「蒼様は尊いお方なのです。そのことは王家の皆さんはよくご存知ですし、交流もあります。蒼様はさっきまでジョセフィン様の宮でご一緒していて、貴重な品をお渡しになってきたばかりです。」


「渡すというか、ちゃんと白金貨2枚もらったよ。」


「白金貨ーーーー」と言って壁に寄りかかるハーネス夫人を置いといてベロニカが続ける。


「あのですね。今日お売りになったものは、白金貨10枚でも割に合わないものです。あのような魔道具は誰も作ることができませんしあの巨大なサファイヤは2度とお目にかかれないでしょう。」


「そうかな。どっかのダンジョンでまたごそっと出そうだけど。」


「もう、またそんなことを。はあ、話を戻しますけど、私のドレスにアラクネシルクはダメです。蒼様とジルベール様の服に使っていただいて、私は普通の布にします。」


「別に気にしなくていいのに。じゃあハーネス夫人、一枚だけシンプルなデザインでアラクネシルクでベロニカのドレス作って、それ以外はそちらのお任せで。僕らの服はあまり堅苦しくなくて、最低限の礼儀が保たれていればいいです。じゃあ、後よろしくお願いします」


「蒼様、ご注文は承りましたが、お預かりするには大きすぎる金額です。」


「その金額に見合うあなたたちの最高を見せてください。それでは」

そういうと、早めに店を出てきた。お客様の視線が怖かったので、急いで出たのはいうまでもない。


「まずは。一つ終わり。次は本屋だよ。」














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