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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
神の使徒誕生

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管理神との再会と死の谷のテラフォーム

14 管理神との再会と死の谷のテラフォーミング


3日前に、うちに帰ってからジルベールと一緒にお風呂に入ってご飯を作って(ほとんど僕が作ったけど)二人でリッチが残した魔道書を読んでいたらいつの間にか寝てしまってた。

次の日から2日は色々な武器・防具・杖・生活雑貨・食べ物などを作って過ごした。ダンジョンの中は普通に光が差し込むので、あまり気にしてなかったけど、地上にまだ出てないなあと気づいてしまった。


この世界に落とされて初めて地上へと出てきた。そこは、東西に高い崖がそびえ立つその間の深い谷で、正面の北側には大きな山が聳えている。頂上付近には雪がまだ残っているのを見ると、標高はかなり高いんだろう。乾燥した大地には一本の草さえ生えていない、まさに死の谷。風水的にも最悪だ。これは地形から変えないと、この土地を繁栄の大地の礎にはできない。


うーん、どこから手をつければいいかなって考えていると、マジックブックが光、ポーンと音がした。すると5柱の女神が目の前に現れた。


「蒼くん久しぶりね。アリアーノ世界で最初に見た地上の景色が死の谷だなんて、きっとこの世界やばいって思ってるよね。」

そう尋ねてきたのは大地と豊穣の神ワムス。


「でもね、この世界の多くの土地がいまはこんな感じなのよ。」

悲しそうに呟く愛と慈悲の神ナリス。


「うん、まあ、ここは風水的にも最悪なので地形から変えないといけないなあって思っていたところでした。死の谷っていう名前がつくほど、魔物が湧くダンジョンと、草一本生えない不毛の土地ゆえに、どこの国の所属にもん会っていない。だから地形を変えた後、緑魔法で自然を回復して神様方と祀るための教会を作ろうかと思ってました。」


そういうと、法と正義の神テミスさが不思議そうに

「私たちの教会?」と聞いてきた。


「はい、この世界に5柱の神の信者が増えることで、神様方の力が増します。神様方の力が増せば、加護をいただいている私の力も増します。すでに創世教があるとのことですが、アロンを祀るビンハンデル帝国が優勢な今、腐敗著しい創世教を建て直さなければ皆様の神威(カムイ)は取り戻せません。ですから、真神教と名前を変えて、3柱の大神、5柱の管理神を祀る教会を世界中に建てていこうって思っています。また、ダンジョン51階に秘密の地下神殿も建立し、神様方の地上への顕現の際のお休み所にしていただきたく存じます。」


神様方の前で跪きながら、そのように自分の考えをを伝えた。帝国が強いのは、アロンの力が強いから、アロンの力が強いのは信者の祈りの力がつよいから。じゃあそれはこちらも使わせてもらう。


「わかったわ。蒼。あなたの深い想いに感謝して、このあと、あなたのように転生の理から外れて事情を持った魂はこの地に転生させることとしましょう。そこにいるジルベールのようにね。保護してこの世界の立て直しに協力してもらってください。じゃあ、私たちは自分のできることをしましょう。ワムス・ミヌス出番よ。」


輪廻と転生の神カリス様がそのようにおっしゃると二柱の神が前に出られて、空に向かって叫ばれる。


『天地開闢』『流水育命』


二柱の神から神々しい光が迸り、あっという間に、東西の険しい崖は削られ引き伸ばされ西側には大きな平地、東側にはいくつかのなだらかな丘とそこを流れる数本の川、南側には東側から注ぐ川の先に大きな湖ができた。


「四神相応の地形ですね。」


前世で占いや風水の本を読んでいたので、吉祥の土地の一つだということがわかった。


ワムス様が

「ふふ、よく知っているわね。あなたがいた地球にもその考え方はあったのね。因みに蒼、そこが聖穴よ。そこを中心に四神相応の土地に変えたわ。」

というと、ミヌス様がその言葉を継いで説明してくださった。


「この土地には、水脈、龍脈、聖脈全てが交わっているわ。聖穴は神気が通る聖脈の中心点。だからここに神殿を建てるといいわ。メインストリートは南に向かって太くのばして。きっと素晴らしい街になるわ。ただ、ここから一番近い街は、アレジ王国のオデッサでそこを突き抜けてまっすぐ行くとアレジ王国の王都オローラなんだけど、そこに至る道は西側にあるから、通商のための大きな道と道路を西側にも作ったほうがいい。南側にまっすぐ行くとアレジ湾に出るし、そこにはいくつかの港町ががあるわ。貿易港を備えた活気のある街よ。

そうだワムス、植物の大精霊を呼んでちょうだい。」


そう言って、今立っているところから少し離れたところにある場所を指し示す。


「あの辺りが聖穴。その北に水脈と龍脈が交わるところがあるの。そこにね大切なものを植えてもらうわ。」


「大切なもの?」


何が何だかわからないで頭ハテナでいると、


「おひさしゅうございます、ワムス様、女神様方」

という声が後ろから聞こえた。振り返ってみると、髪がエメラルドグリーンをした白い服を着た美人が立っていた。


「久しぶりね、フローラ。ここに私たちを祀る神殿を建てるの。なので、その北側にに世界樹を植えてちょうだい。それから、ここにいるのが蒼。私たちの代わりに地上で色々やってもらうことになるわ。あなたも助けてあげてね。」


ワムス様はそう言って、フローラに僕を紹介してくれた。


「初めまして、蒼様。私は植物の大精霊フローラと申します。私の手伝いが必要な時はいつでもお呼びください。」


「ありがとう。頼りにさせてもらっていいかな。それから僕のことは蒼と読んでください。フローラさんの方が僕より長くこの地にいる先輩だから。」


その瞬間ピシリと空気が震えた。ゾク?何?


「先輩だなんてとんでもございません、私のことはフローラとお呼びください。私も蒼さんと呼ばせていただきます。」


ああ、これ、あかんやつや。ここは、素直に


「フローラ、ありがとう。そうさせてもらう。」


「はい。では世界樹を呼び出しましょう。」


そう言うと、多くの精霊たちが現れ、一個の大きな種を運んできた。フローラはそれを手にすると、祈りを捧げながら地面に植えた。するとすぐにに小さな双葉が出たかと思えば、あっという間に僕の背丈を超える木に成長した。


「これが世界樹。この世の汚れを払う希望。」


フローラが言うと、女神と精霊が一斉に祈りを捧げ始めた。どうするか習っていないのに、最初から知っているように、僕も同じように跪き、祈りを捧げていく。

すると、背丈ほどの若木がグングンと巨大に成長していく。女神様方の祈りの声が聞こえなくなったので立ち上がってみると、想像をはるかに超えた、ビルの5階分ぐらいの高さの巨大な木がそこにたっていた。


言葉をなくして世界樹の前で佇んでいたのだけど、世界樹の意思が僕の中に入り込んできた。それは、世界樹と教会を中心とした巨大な街のイメージ。

人間だけでなく、すべての種族が平等に暮らす街。精霊・妖精たちが跳ね周り、自然と人工物が調和した夢の街。


世界樹の意思と思いを受け取った後に、僕は『アーキテクト』を発動。


世界樹の南側、聖穴の上に教会を建てる。

前世の記憶から、ステンドグラスで覆われた塔をイメージして、北側に3本の尖塔を横に並べる。中央が世界神、向かって左が創造神、向かって右が破壊神の塔とした。3本の塔はお互いに渡り廊下で繋がれる。

創造神の塔はキラキラ輝く白、破壊神の塔はキラキラ輝く黒、世界神の塔は白と黒のマーブル模様。


塔は大きな三角屋根を乗せたメインの建物と繋がっており、それぞれの塔の出入り口の広場に丸い円盤の上にペンタゴンの形で外を見るように5柱の神の像が祀られている。これは毎日少しづつ動かされていき一年360日で一周するようになっている。法と正義の神テミス様は白と銀色の打ち掛けを着て、愛と慈悲の神ナリス様は桃色に赤、輪廻と転生の神カリス様は紺色に白

、大地と豊穣の神ワミス様は緑色に茶、生命と水の神ミヌス様は水色に金。


大きな屋根には、大厄災前の真なる神話が描かれ、創世教において悪だとされている破壊神ヨミ様は善なる神であり、大厄災を引き起こす原因となったのは、元の管理神アロンの策略により動いた人間たちが、神の愛子であるアイネンホルト王国の王子であるエレストロ王子を殺害したからであると書かれている。


創世教は5柱の神を祀っていながらも、大厄災を引き起こしたヨミ様を邪神とし、アロン教に配慮し、アロンの罪について書いていない。アロン神の企みによって命を落として、アイネンホルト王国の神の愛子であるエレストロ王子のことも書かれていない。


横の壁には12枚のステンドグラスが嵌め込まれていて、12柱の大精霊と主な眷属について描かれている。


地面の絨毯には、大厄災のあと生き残った人たちがたどった軌跡が描かれていた。


「蒼、素晴らしいわ。人間たちがかつて建てたどんな境界よりも素晴らしいわ。建物の素晴らしさだけではなく、あなたの人を思いやり気遣いが随所に溢れてる。」

5柱の女神が目に涙を浮かべながら蒼に口々に感想を述べる。


「女神様の奇跡のおかげで、この地の風水、理は正され、世界樹と教会を建てることができました。フローラの助けで、この地にまた緑が戻ってきています。これからこの地は多くの真なる僕たちの手によって大きく発展していくことでしょう。こののち、地下神殿の建築にも着手いたしますので、神々の顕現を賜りますよう、お願いいたします。」


僕の言葉に大きく頷いた女神様たちは天界へとお戻りになった。


死の谷に人間が近づくとも思えないけど、一応『ミラージュ』『結界』を張っておく。『ミラージュ』は遠くからはかつての荒涼とした大地にしか見えない魔法だ。『結界』は物理的に入れない魔法だ。念には念を入れて。


世界樹の傍に建てられたこの教会は、真神教の総本山となり、死の谷から緑の谷と名前を改められたこの地は世界有数の門前町として大発展する。

世界中の国がこの谷を奪おうと軍を向けるも、たちどころに神罰を受け、一度も成功することはなかったという。



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