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【視点】偉い人からの刺客

 ザーガルたちの金が底をつき、ついに食べ物すらまともに口にすることができなくなっている。

 ザーガルとベルベットは、なけなしの最後の十ゼニを持って買い物に向かおうとドアを開けた。


 だがドアを開けた途端、ザーガルは驚きのあまりすぐに目の前に立っている者たちに跪く。

 王族特有の制服を着用しているからだ。


「おいベルベット、早く俺と同じように跪いてくれ……」

「なんでですのー?」

「王宮直属の方だ。無礼にも程があるぞ……」


 小声で必死にお願いするザーガルを見て、渋々ベルベットも跪いた。


「この家の借主のザーガルとは其方であられるか?」

「ははっ! 私がザーガル=ポルカでございます。こちらは使用人を務めておりますベルベットです。して、どのようなご用件かお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「ねぇザーガル、この人たちそんな偉い人なの?」


 ベルベットの能天気な発言に滝のような汗をかいて顔が青ざめていった。


「ばか! 口を慎め!」

 この発言を聞いて一瞬顔が笑いかけてしまった王族の者達だが、すぐに真顔に戻り、ザーガルに告げた。


「まぁ良い。顔を上げよザーガル。そちらの元使用人を務めていたベルベット氏も立ち上がるが良い」

 ベルベットもこの言葉に何かを察したのか、表情が曇った。


「ザーガル、わ……私は関係ないから家に戻ってて良いわよね!? ね!?」

「いや、ベルベット氏にも伝言があって我々は出向いたのだ。ザーガル、此処で伝えるのと家内で伝える選択を与える。どちらか選ぶのだ」


「で……では……ここで」

「そうか。ではこの報告書を渡すので二人とも直ちに読むのだ」


 渡された書類を読み始めてザーガルは顔が青ざめた。

 一方、ベルベットは能天気にザーガルにお願いをするのだった。


「ねぇ、ザーガル、私この字読めないから、読んでくれる?」

「は!? ベルベット、文字も読めないのか!?」

「だって……」


 呆れながらザーガルは声に出して最初から読み始めた。


「なんでそうなるのよ!?」

 聞いていたベルベットはたまらず大声で王宮の人間達に怒鳴った。


「落ち着けベルベット」

「無理よそんなの! ジュリアさんとザーガルの離婚話で、なんで私にまで多額の慰謝料請求されるのよ。おまけに賭博罪で私に容疑がかかっているなんて知らないわよ!」

「大丈夫だ。さすがにこれは何かの間違いだろ? 離婚をするような理由に心当たりもない。賭博に関しても正当な自分の金で賭けたものならば無罪なはずだ。俺たちは自分の金でやっていたのだから」

「そ……そうよね……」

 ベルベットには賭博に関しては思い当たる節があったので、ザーガルの言葉にも安堵できなかった。


「ともかく、文面に書いてあるとおり、至急ジュリアの家に向かう」

「ではザーガル並びにベルベット氏は伝令通りに我々と共にエイプリル様宅へ連れていく」


「はぁ……なんで私がこんな目に……ジュリアさん、なんてことしてくれたのよ……絶対に許さないわ。あなたからザーガルを奪ってみせるんだから!」

 ベルベットは一人小さくつぶやき決心した。


「ジュリアは勘違いをしているに過ぎない。しっかりと説明をすれば浮気でもなければ離婚をするような理由もない。だって俺はジュリアを愛しているのだから」

 ザーガルもまた、小声でつぶやき一人で納得していた。

更新停滞してしまい申し訳ありません。

このあと一気に更新かけて完結まで進みます。


残り数話ですがよろしくお願いいたします。

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