35「ウルとグリムレンの第二ラウンドです」①
ウルリーケの前に、一度倒した紅のグリムレンが立ち塞がった。
チリチリとグリムレンの衣服が燃えている。
先ほど戦ったよりも、炎が高まっているのがウルには感じ取れた。
「……決着をつけましょう」
「いいぜ。次こそ神殺しだ!」
グリムレンはすべてに感情を抑え、冷静な表情を。
ウルは一度倒した敵がさらに強くなっていることに喜び獰猛に笑う。
「正直なことを言うと、あんたと二度戦うのはしんどいんだ」
「……あら、嬉しいわね」
「神々とかの前に、あんたは炎の魔女として一流なんだろうな」
「その自負はあるわ」
「そんなあんただからこそ、神々とか関係なく頭を空っぽにして戦いたかった」
「そうね、そうよね。私もそう思うわ。不思議ね、あなたの炎に斬られて、頭がすっきりsたの。すっきりしすぎて、そもそもこんな戦いをする理由さえわからなくなったわ」
「どう言う意味だ?」
戦いの理由がわからなくなったというグリムレンの言葉に、ウルが首を傾げた。
理由もなにも、世界の楔を破壊し、戦神をこの地に降ろす。
そして、サムと戦い、世界を破壊しようとする、あまりにも傲慢な神の所業だ。
意味のないくだらぬ戦いをとめるため、世界を守るために、ウルたちはここにいると言うのに、他ならぬ攻め込んできた神が「こんな戦いをする理由さえわからなくなったわ」などと言う意味がわからなかった。
「余計なことを言ったわね、ごめんなさい。気にしなくていいわ。それよりも、後悔がないように全力で戦いましょう。私はサミュエル・シャイトたちなどどうでもいいの。ウルリーケ・ウォーカー・ファレル、あなたを殺すために死力を尽くすわ!」
「いいねぇ。そうだ、それこそ私が求めていることだ! 頭空っぽにして、余計なことなど考えずに、全力で! 最高の! 戦いをしよう!」
――轟っ。
ウルの身が炎に包まれた。
「――灼熱魔神」
その魔法は、ウルの父のひとりジョナサン・ウォーカーのものだった。
真紅の炎に包まれたウルが、構えをとる。
「あら、奇遇ね。――業炎魔神」
紅のグリムレンも己の身を真紅の炎に包まれた。
杖を構えるグリムレンは、先ほどの戦いとは違いウル単体を相手にする接近戦を選択肢したのだ。
魔法使いと魔女が笑った。
次の瞬間、炎を纏ったふたりが激突した。




