5「因縁の決着です」②
「――――あ」
とんっ、とアルフレッドの首が地面に落ち、転がった。
首から下を消し飛ばされたアルフレッドは、目をきょろきょろ動かしている。
もしかしたら、自分に何が起きたのか理解できていないのかもしれない。
「あ、あ……あ」
視線を必死に動かし、アルフレッドは自身が首だけであると知り、大きく目を見開いた。
血走った目に動揺が浮かんでいる。
それ以上に、恐怖が現れていた。
「……あ、ああ、回復、できない。どうして、どうして」
アルフレッドの震える声に、カリアンは何も応えなかった。
わざわざ力の正体を教えるつもりはない。
己の身がどうなるのかわからないという恐怖で怯えながら死ねばいい。
「誰か、誰か、たすけて! このまま、死にたくない! せっかく復活したのに、たすけ――」
アルフレッドの目が、日比谷綾音を捕らえた。
綾音は興味がないと言わんばかりにあくびをしている。
ぷつん、とアルフレッドの中で何かが切れた。
「日比谷綾音ぇえええええええええええええええええええええ!」
唾を飛ばし、綾音の名を叫ぶ。
それでも綾音は視線すら向けなかった。
「貴様のために僕がどれだけの時間と労力をかけたと思っているんだ! 僕がいたからこそ、貴様は復活できたんだぞ! サミュエル・シャイトがあの場にいて、一撃によって封印が解けたのも、結果的にすべて僕の采配によるものだ! だから、僕を助けろ!」
結局、アルフレッドの長い暗躍は女神日比谷綾音の復活に至らなかった。
だが、サムを完全に敵にしたことで、「全てを斬り裂く者」によって綾音の封印は解けたことは間違い無いが、アルフレッドの采配などではない。
ただの偶然。それだけだ。
綾音はやはり見向きもしなかった。
「貴様はいつもそうだった! あの時代でも、僕のことをまったく見てくれなかった! それでも僕は尽くしたんだぞ! だというのに、サミュエル・シャイトに股を開きやがって! このアバズレがっ!」
一筋の閃光が走り、アルフレッドの額を撃ち抜いた。
「あ、あ……あ」
アルフレッドの思考が止まった。
脳を損傷したことで、思考ができなくなったのだ。
アルフレッドの額を撃ち抜いたのは、綾音だった。
彼女はアルフレッドに向かい指を向けている。
しかし、アルフレッドには綾音が自分を撃ったことを知ることができなかった。
思考が止まったせいで、言葉も出ない。
何もできない。
それでもやはり綾音は口を開かなかった。
「私の可愛い孫と、孫が愛した女性を侮辱するとは……やはり貴様は罪深い。死を持って償え、アルフレッド・ポーン」
アルフレッドは綾音の声を聞くことなく、カリアンによって頭部を踏みつけられて絶命した。
アルフレッドさん、退場です。
相手がカリアンさんたちじゃなければ普通に強かったんですが、残念です。
結局彼は自分が神の力を得たことで傲慢になり、力を使うことができぬまま殺されました。
シリアス先輩「いろいろやらかしているラッキースケベ大魔王が闇夜を斬り裂く者で斬られなくてよかったね!」
友也くん「本当ですよね!」
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