82「いつも通りの扱いです」③
「誤解だって言ってんだろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!」
友也は絶叫し、激情のランドルフを殴り飛ばした。
「……はぁはぁ、はぁ。服を破いたことは謝罪しましょう。ですが、悲鳴をあげて勝手に誤解しているそっちのほうがどうなんですかねぇ! 服破かれたからって、汚されるって……てめえは神なのに抵抗する気もねえのかぁああああああああああああああああああ!」
よほど頭に来ているのだろう。
友也の言葉遣いはとても荒かった。
「ラッキースケベもいずれ使いこなせるって言われたから希望を持っていたのに、こんな侮辱をされてもう許せない。殺す、殺してやる。ラッキースケベしまくって、お前たちの痴態を神界に晒してやるっ!」
「それが本性か! いいだろう、この激情のランドルフ! 感情的になればなるほど強くなる! 辱められた貴様への不快な感情を糧に、この力を見せてやろうではないか!」
「やってみろ! 気づいた時には、お前はアヘ顔ダブルピースしていると予告してやる!」
もしかしたら頭に血が上りすぎて友也自身何を言っているのかわかっていない可能性があった。
「やれるものならやってみろ! 貴様は私を蹴り飛ばし、殴り、服を破いた破廉恥男だ! こんな男が魔王だと? この世界を一度でも美しいと思った私が愚かだった! 貴様のような男を魔王にした世界の意思も、貴様を受け入れる世界も、人もすべて穢らわしい! 戦神ディーオドール様がこの地に降臨しようものなら汚れてしまう! 楔などもうどうでもいい、私の手でこの世界を滅ぼしてくれる!」
「やれるもんならやってみろやぁあああああああああああああ!」
友也の拳とランドルフの拳がぶつかった。
両者は、魔法も魔力も何も使わず殴り始めた。
これにはサムたちも神々も呆れてしまう。
だが、仲間に治療を施していた女神が我に乖離、動いた。
地面を蹴ると、殴り合う友也の背後に肉薄すると容赦無く股間を蹴り上げた。
「――――こひゅっ」
神々を含め、サムたち男性陣が内股になる。
友也は股間を押さえ、冷や汗を流しながら膝を震わせて振り返る。
「……嘆きのヘルミーナ」
友也と同じくらい女神の突然の行動にランドルフが驚いた顔をしていた。
「ランドルフがこんな男に何かされるのは嫌です。……わ、私のランドルフが!」
「……ヘルミーナ……君は」
「もっと早く言うべきでした。私は、あなたのことが……」
「いや、私こそ早く言うべきだった。戦神ディーオドール様のもとで戦う同志以上に君のこと……」
「ランドルフ」
「ヘルミーナ」
男神と女神が見つめ合う。
だが、ふたりの邪魔をするように友也が血走った目をして叫んだ。
「ラブコメしてるんじゃねえよぉおおおおおおおおおおおおおおっ!」
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「……本当に、先に戦っていてよかった。さすがに私もこのよくわからん空気の中で真顔で戦えないぞ」
「……そだね」
あまりにも踏んだり蹴ったりな友也にウルとサムは顔を引き攣らせていた。




