81「いつも通りの扱いです」②
「もう、悲しい。とにかく悲しいです。千年以上生きてきて、まだ酷い目に遭うのかと嘆くしかないんですけど」
友也はその場に膝と手をついてしまった。
命を賭けた戦いをする覚悟でこの場に来たというのに、自分だけいつも通りの扱いだった。
さすがにこれは酷い。
泣いても許されると思う。
「遠藤友也……貴様の名は神界にも轟いている」
「そんな馬鹿な!?」
「好色と呼ばれる神々でさえお前ほどではない! 戦神ディーオドール様でさえ、お前の行動にはドン引きしているぞ! 一体何を考え」
激情のランドフルの言葉はそこで止まった。
その理由は友也が全力で飛び蹴りを、彼の顔に入れたからだ。
よほど勢いがあったのだろう。
蹴られたランドルフはもちろん、蹴った友也がふたり揃って転がっていく。
「……なんというか」
「ええ、言葉がありません」
レプシーとカリアンが友也に同情の視線を送った。
まさか友也のラッキースケベまで神々が把握しているとは思わなかった。
「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! ごほっ、げほっ、おえっ!」
綾音に至っては笑いすぎで咽せていた。
「……神々がどんな奴らだかよくわからないんだけど、いつも通りの戦う相手みたいなことになってきたなぁ」
「庇うわけじゃないんだが、あいつら先ほどまでこんな愉快な感じじゃなかったからな。もっと殺伐とした感じだったぞ?」
「さすが友也だね。スカイ王国特有の空気にして神々を振り回すんだ。きっとこの後ラッキースケベってあいつら泣いて帰ると思う」
「……そっかー、ラッキースケベされて帰っちゃうのかー。先に戦っておいてよかった」
サムもまた、友也同様にそれなりの覚悟をしてこの地に来ていたのだが、あまりにもいつも通りの展開になったので、肩から力が抜けてしまった。
ウルは、神々と友也が会う前にちゃんと戦っておいてよかったと、自分の行動力を誉めていた。
神々は、展開についていけないようで呆然としている。
許されるのなら、今、不意打ちで斬ってしまいたい衝動に駆られる。
だが、友也を巻き込んでしまうので躊躇われた。
そうこうしている内に、友也とランドルフが立ち上がった。
「貴様っ、何をする!」
「それはこっちのセリフだ! なんで初対面の相手にラッキースケベだなんだと罵倒されなきゃいけないんだ! まだ僕はお前たちに何かしたわけじゃないだろ! 僕だって人の心はあるんだぞ! 酷いこと言われたら傷つくんだぞ!」
友也がランドルフの胸ぐらを掴んだ。
――次の瞬間、世界の意思の攻撃によって斬り裂かれていたランドルフの服が思い切り破れ、上半身が露わになった。
「――きゃぁっ!」
急に乙女のような声をあげて、胸を隠した。
「……えっと、これは誤解です。不運な事故です。僕だって、好き飲んで男性の服を剥ぎ取るような趣味はありません。本当です、信じてください!」
「き、貴様ぁああああああああああああああああ! その滾らせた欲望を私にぶつける気か! ならば、全力で抗おう! 私は激情のランドルフ! 戦神ディーオドール様に仕える誇り高き戦士だ! たとえ、私の身体を汚すことができたとしても心までは汚せないと覚えておくといいっ!」




