49「神々が動き出しました」②
「俺たちを無視して随分と楽しそうな話をしているな」
「……剣のヴィーダル」
「私たちも混ぜて欲しいわ、同志じゃない」
「――紅のグリムレン」
新たなふたりの神が現れた。
揃った四人こそが、戦神に仕える神々であり、その身を犠牲にしてでも世界の楔を破壊しようと世界に降り立とうとしている神々だ。
激情のランドルフ、嘆きのヘルミーナ、剣のウィーダル、紅のグリムレン。
四人とも上位に君臨する神である。
彼らが変わり者の神であるのは、神でありながら神に仕えていることだろう。
また、世界を管理することに興味がなく、腐ってしまった世界を刈り取る役目を負っていることだ。
管理世界は、神が管理しているから必ず良い世界になるわけではない。
その世界に人が生きている以上、予想ができないことが頻繁に訪れるのだ。
予想外のことが、良いことなら構わない。
しかし、悪いことに繋がってしまうと、世界はゆっくりと腐っていく。
そんな世界を剪定するのが激情のランドルフたちの役目だ。
――役目といえば、聞こえがいいが、要は世界を滅ぼすのだ。
今までは神々が管理していた世界に神の許可を得て介入していたのだが、今回は違う。
神々を拒む世界に無理やり介入するのだ。
弱体化で済めばよいほうだ。
最悪の場合、死に至るかもしれない。
神も絶対的な存在ではない。
死は平等に訪れる。
だが、その覚悟を持って彼らは世界の狭間にいた。
「準備と覚悟はできたか?」
「無論です」
「今さらじゃないか」
「私たちの覚悟はとっくに決まっているはずでしょう?」
ランドルフの問いかけに、神々が笑う。
戦神を慕い、強くなると切磋琢磨する仲間でもある。
四人でひとつの世界に干渉することは珍しいが、それぞれが楽しみであった。
戦神ディーオドールが入れ込んでいるサミュエル・シャイト、そして創造神、他にも彼らが人間だった時に比べてはるかに強い者がいる。
楽しみでないはずがない。
「ならば、世界に降り立とうではないか!」
「――させません」
世界の間に静かな声が響いた。
「――私はあなた方を歓迎しない」
全身が白い女性――世界の意思が神々の前に立ち塞がった。




