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23「愛娘の反応です」③





 ギュンターのせいで帰宅してすぐに騒がしくなってしまったが、綾音とクリーのおかげで事態は収集した。

 ギュンターの服を掴んで離さないシャルロッテだったが、綾音はギュンターの服を力任せに破くことで解決した。

「きゃぁああああああああああああああああ!」とギュンターが叫んだのだが、とても耳障りだった。

 シャルロッテもまさか掴んでいた服を強制的に破られるとは思わなかったようで、目を丸くしていた。その後に、ギュンターの上半身の裸を見て「――あびゃ!?」と変な声を出したのだが、顔を真っ赤にしていたのできっと「――ぽっ」と言いたかったのかもしれない。


 動きの止まったシャルロッテをリーゼが回収し、ギュンターはクリーが回収していった。


「なーにやっているの、あんたたち!」


 と、綾音は呆れていたが、サムたちは何が起きたのかいまいちよくわかっていなかった。

 何やら察していた者もいたようだが、サムは何も気づかない、気づいていないのだ。


 変な汗をかいたので、友也とカリアンと一緒にお風呂に行き、そこにメルシーたちが突撃してきて、みんなで背中の流しっこをしてサムの心は癒された。

 そして、食事が始まる頃になって、家族が合流したのだが、ギュンターだけが干からびていたのはきっと気にすることではないのだろう。


 せっかくなのでギュンターはサマンサをはじめ子供たちと挨拶をしたが、みんな笑顔だったが、シャルロッテのようなおかしな行動はしなかった。

 もしかしたら、聖女の力がギュンターの異常な力に何かの反応をしたのかもしれない。


「それで、王宮での会議はどうだったの?」


 食事を終えて、ワインを飲む綾音がサムたちに尋ねた。

 王宮に足を運んだサムたちはそれぞれ顔を見合わせて、難しい顔をした。


「な、なによ。揉めたわけ?」

「……なんていうか、スカイ王国の貴族ってすごいなーって」

「すごい? どういう意味で?」

「スカイ王国的にすごかったです!」

「あー」


 サムの言い方に、綾音は察したようだ。

 彼女の隣で紅茶を飲んでいる白雪も、スカイ王国の人々の習性を知ったようで、姉と同じようななんとも言えない顔をしていた。


「聞いてくれ、綾音」

「何よ、ウル?」

「これからこの世界にやってくる神はとっても強いらしいぞ。――ワクワクするだろう?」

「しないわよ!?」

「――なんだ、と?」

「そんなに驚かれても……あのね、私は必要だったから戦っていた過去はあるけれど、好き好んで戦っていたわけじゃないの! 戦わないで済むなら、それでいいじゃない!」

「じゃあ、鍛えた力を誰に使えばいいんだ?」

「……あんた……あれだけ私を何度も燃やしながらまだ戦い足りないのね!」

「だって、まだ神殺しをしていないんだぞ!」

「はぁ。野蛮ねぇ。サミュエル、あんたの師匠でしょう? ちょっと止めなさい……よ?」


 綾音が言葉を止めた。

 なぜなら、ウルに同調するようにサムをワクワクした顔をしていたからだ。


「……サミュエル、あんたも戦闘狂だったわね」

「あははは、なんといいますか、どうせ戦うなら楽しんだもの勝ちでしょう」

「さすがサムだ! 私の教えをよく守っている!」

「それほどでも」

「いやいやいやいや、なんなのこの戦闘狂師弟は!」


 呆れた声を出す綾音に、リーゼたちも苦笑いだ。

 しかし、神々と戦うことが決定事項である以上、不安に怯えているよりも、「ぶっ殺す!」と意気込んでいた方が健全なのかもしれない。


「綾音くん、麗しのサムと猛々しいウルがこのように誰に対しても臆さない心の強さを持っているからこそ、今まで様々な困難を乗り越えてきたのだよ。そして、今回も、今までと同じように勝ってくれると僕は信じているのさ!」


 ギュンターがサムとウルにウインクをする。


「さすがぎゅんぎゅん様ですわ!」

「あぶ!」


 クリーがいつも通りに感銘を受け、いいことを言ったとばかりにリーゼの腕の中にいたシャルロッテがてちてちと拍手をする。

 そして、サムは、ぎりっ、と歯を食いしばった。






 綾音っち「サミュエル……あんたね、ギュンターに嫉妬してんじゃないわよ」

 サムくん「だって可愛いシャルロッテちゃんが!」

 綾音っち「いずれお嫁にいくじゃない」

 サムくん「早いよ! まだ生まれて一ヶ月だよ!?」


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挿絵(By みてみん)


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