21「愛娘の反応です」①
「おっと、これはこれは……申し訳ない、リーゼ、サム。少々タイミングが悪かったようだね」
「あら、シャルロッテったら」
お漏らしをしてしまったシャルロッテに、ギュンターは苦笑してしまった。
リーゼも同じように苦笑いしつつ、娘を受け取ろうとする。
しかし、シャルロッテはギュンターの腕にしがみつき離れなかった。
「ちょ、シャルロッテ? 力強っ! ど、どうしてギュンターにしがみついているの、ママのところに戻ってきて?」
「ぶぶぶぶぶぶっ」
生後一ヶ月とは思えない力強さとガッツを発揮してシャルロッテはギュンターにしがみついていた。
離れるものか、という強い意思がシャルロッテから伝わってくる。
そんな娘を見て、サムはその場に崩れ落ちた。
「――ちょっとサム!? なんであなたがダメージを受けているのよ!?」
リーゼが驚く。
何をどうしたら急にサムが白目を剥くことになるのか理解ができなかった。
「……あのですね、リーゼ殿。シャルロッテは、その……」
「こらこら、確証のないことを言うものではありませんよ。私も男親として察するものはありましたが、あえて今ここで言うことではないでしょう」
「そうでしたね、申し訳ない」
「友也? カリアン様? 何をおっしゃっているのか……って、本当に力が強いわね、シャルロッテ! いい加減になさい!」
「ぶーっ」
「はっはっは、どうしたのかなシャルロッテくん! 僕のことがお気に入りかな!」
何かを察した友也がリーゼに躊躇いがちに何かを言おうとしたが、カリアンがそっと止めた。
しかし、そのカリアンもシャルロッテを見て何か思うことがあったのかもしれないようで、苦笑しているがどこか微笑ましそうだ。
「あぶぶぶー」
ギュンターにしがみついていたシャルロッテは現在、彼の袖だけを器用に掴んでリーゼに引っ張られている。
実に器用であり、どこにそんな力があるのか疑問に思ったが、見る者が見れば微力な魔力で身体強化を無意識にしていることがわかる。
離れないぞ、という意思もあるが、この状況を楽しんでいるような面もあるので、きっと将来大物になるのだろう、と友也とカリアンはシャルロッテの将来性を垣間見た気がした。
「――それよりも」
「サムをどうしましょうか」
おそらく、友也とカリアンが察したことを父親の勘で察してしまったのだろう。
脳が情報を拒んだのか、それとも心が拒んだのか、サムは失神していた。




