6「世界さんのサービスです」①
世界が一瞬、闇に包まれたと思ったと同時に、すぐに光が広がった。
会議室にいた面々は、椅子と机ごと「世界の意思」のもとへ転移していた。
暖かな日差しと、草花が絨毯のように広がる場所だった。
「――ようこそ、スカイ王国の皆様」
感情のない機械的な声が響いた。
サムをはじめ、誰もが声の主を探し、見つけた。
全身白づくめの美しい女性――世界の意思は、サムの隣にいた。
「……私が世界の意思です。サミュエル・シャイトが、夫がお世話になっております」
「――ちょ!?」
開口一番、とんでもないことを言い放った世界の意思に対し、誰もがあんぐりと口を開けていた。
「神々の世界への干渉に、あなたがたを巻き込んでしまうことを申し訳ないと思っています。ですが、私にはあなたたちが必要です。どうか、お力をお貸しください」
機械的な声ではあるが、彼女は貴族たちに頭を下げたのだ。
「――顔を上げられよ! 世界の意思殿、あなたは我らにとって母のような存在である。子が母を守ろうとするのはなんら不思議ではないのである!」
クライドが慌てながら、はっきりと言ってくれた。
続けて貴族たちが、次々に同意していく。
「そうですな。これほど美しい女性を見たのが初めてゆえ、魂を持っていかれそうになりましたが……すでにサミュエル・シャイト殿と良い関係とは、いやはやさすが夜の魔王ですな。正直、嫉妬を覚えます」
「いえ、あの」
「なるほど、クライド陛下の言う通り! 世界の意思殿は、我々にとって母! つまりママであるということ!」
「そうだ。母のために立ち上がらない息子などいない!」
「娘もいないわよ」
「んママぁあああああああああああああああああああああああ!」
ひとり絶叫していた者がいたが気にしないことにした。
きっと世界の意思という途方もない存在と出会ったせいで混乱してしまったのだろう。
そうに決まっている。
「……サム、君は世界の意思にまで……僕のラッキースケベが霞むくらいのベッドの魔王ですね」
「ちょ、友也!?」
「……正直、私はサムはなんだかんだとまともだと思っていたが、立派なスカイ王国民だったな。まさか世界の意思までハーレムに加えるとは……うん? つまり、私は世界の意思と家族になるのか?」
「ゾーイさん!? もしかしなくても混乱しているよね!?」
レプシーたちも世界の意思の登場に驚き、ウルに至っては相手の強さを見極めようと瞬きせずに見つめている。
(……この状況、どうするんだよぉ)
サムが頭を抱えかけた時、クライド・アイル・スカイが立ち上がった。
「サムよ、そなたのビンビンを確かに見せてもらった」
「いえ、見せてないですけど!」
「世界の意思殿を射止めたそなたのビンビン――――我が真の後継者に相応しい。あっぱれ、ビンビンである!」
とてもひどいことを言われた。
「……よくわかりませんが、認められたのであればよかったですね、サム」
「世界さんのせいでとんでもない誤解をされているだけです!」




