67「宝探しです」②
「うわぁ……」
「うわぁ」
「これは、これは」
「ビンビンではないな」
黄金に輝く像を前に、サムたちはあんぐり口を開けていた。
偉大なるルルカス・シューレンの金の像だが、これでもかと美化されていて原型がない。
しゅっとした長身で足が長い筋肉質のイケメンの像だった。
実物と対峙したことあるサムや綾音からすると「どちら様ですか!?」と叫びたくなるほどだ。
ただ、像としてはしっかり作られている。よほど金をかけたのだろう。
「……女の子の私がこんなこと言いたくないけど」
「綾音さんは女の子って年齢じゃないから大丈夫だよ!」
「サミュエル、あんたぶっ飛ばすわよ!」
「ひえっ」
「どこからどうみても女の子じゃない!」
本当に殴り飛ばされそうだったので、黙っておく。
「じゃなくてね! とても言い辛いんだけど、ココ盛りすぎじゃない!?」
銅像のとある部分を、綾音が指差す。
特に顔を赤くするとかはせず、男の虚栄心を侮蔑するような顔をしていた。
「腕よ! これ! 腕! しかも膝までって、日常生活に支障があるでしょう!? 男ってみんなこんなもんなの!?」
「えっと、さすがにそれは過剰だよ」
「でしょうね! びっくりしたわ! 一瞬、これ、ま? ま? って感じだったもの!」
「……饒舌だな、日比谷綾音。なぜ男の愚かな見栄を前に、興奮している?」
ゾーイの辛口な指摘に、綾音の顔が今度は羞恥で赤くなった。
「饒舌じゃないし! 興味津々でも、興奮もしてないから!」
「そもそも、お前はかつて夫がいた身であろう? なにを今更」
「あのねぇ、義務と自棄で子供作ったけど、相手の顔なんてまるで覚えてないのに、あっちまで覚えているわけがないでしょうに!」
「それはそれで酷い奴だな」
「うっさい! 神の干渉のせいよ!」
綾音ががるるる、と唸りゾーイと睨み合う。
「実際、過剰すぎる演出ですね。実際、あの豚王はこんなもんですよ」
グラインがそう言って、小指を立てた。
サムたちが「うわぁ」となんともいえない声が出てしまう。
「……もうやめよう。俺、あのおっさんの股間の話でこれ以上盛り上がりたくない!」
「……決して盛り上がってはいませんがね」
サムがもう限界だと叫ぶと、カリアンが苦笑した。
「では、破壊してしまおう。この金の像を売れば金にはなるであろうが、いささか悪趣味の状態であると買い手もつくまい。砕き、溶かし、形を変えて売り払ってしまうとよいのである」
「お任せください!」
待っていました、とサムが腕を振った。
「――全てを切り裂く者」
美化されまくったルルカス・シューレンの金の像をサムは斬り刻んだ。
「よし! すっきり! 買取は、オーネィ・ショ・タスキーさんに任せるとして、他に何か金にできるものはないかな。武器とか武具でこうすごいのはないんですか?」
どちらかといえば、金の像よりも、一国が抱えている魔法具などの方が気になっていた。
しかし、サムの期待に反してグラインは首を横に振った。
「残念ですが……長い歴史の中で溜め込まれていた魔法具をはじめとするものは、売り払われてしましました」
「なぜ!?」
「曰く、魔法があるから、こんなものに頼らずともよい、とのことです」
「……馬鹿ぁ!」
なんて勿体無いことをしたのだろう。
金よりもよほど価値があるものを売り払い、金の像を残す感覚がサムには全くわからなかった。
その後、宝物庫や隠し部屋を隅々と探したが、一番の財宝は魔法王の金の像だった。
しかし、魔導書をはじめ、いくつか魔法関連の品々が出てきたのは幸いだった。
他にも、飾られている絵画や、壺などは、クライドの目利きにより価値があるものないものと分けられたが、それなりの価値があるものはあった。
これらを売り払うかどうかはサムたちに決める権限はないが、グラインは民のために売り払うだろう。
少しでも、この国の足しになれば良い、とサムたちは思った。
綾音っち「興味津々じゃねえから! ちなみにサムの大蛇ってどのくらいの大蛇なの?」
ウルさん「私が――ひえっ、てなる大蛇な」
綾熱っち「うわぁ! うわぁ!」
シリアス先輩「私のあとがきでそんな話するんじゃねえよ!」
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