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1983/2200

66「宝さがしです」①





 サミュエル・シャイトは、シューレン魔法国の王宮にいた。


「……貴族はもちろん、使用人もいない、か。普通は逃げちゃうよね」


 悪徳貴族はエヴァンジェリンのブレスによって焼き尽くされた。

 使用人たちの中にも灰になった人間もいるだろうが、ならなかった人間はさぞその光景が恐ろしかったはずだ。


「ふむ。可能性として、この機会に国外へ飛び出した者もいると思われるのである。探さなければならぬな」


 クライド・アイル・スカイは、王宮の中を歩きながら顎に手を当てた。


「ですね」

「僕の転移を使って探してきます。すみませんが、この場は任せました」

「よろしく」

「任せてください。弟子ができたんですから、師匠として転移とは何かを見せつけましょう」


 友也はそう言うと、音を立てずに消えた。

 相変わらず、滑らかな転移だ。

 呼吸のように自然に消える。


「うむ。弟子ができて喜ビンビンのようであるな!」

「…………そうですねー」


 どんなビンビンだよ、とツッコンだ日には延々と説明がはじまりそうだったので、サムは口を噤んだ。


「それで? 今さら、もぬけの殻になった王宮にきてどうするって言うの? あ! わかった! 金銀財宝を奪うのね!」

「……綾音さぁん」

「冗談よ!」


 瞳を輝かせていた綾音を見る限り、冗談ではなく本気で言っていただろう。


「この国に金銀財宝なんてないでしょう。貧しい国なんだから」

「そうだったわね」

「明らかに落ち込むなぁ」


 食うに困らずとも、貧しい小国だ。

 魔法こそすべての貴族たちが、まともな国の運営をしているわけがない。

 民は生きるために必死で作物を育てるだろうが、搾取されていく。

 そんな国に無駄と言える財宝があるはずがない。


「――なんというか、申し訳ないのだが、金銀財宝はある」

「あるの!?」


 グライン・シューレンが、気まずそうに言った。

 まさか金銀財宝があるとは思わず、サムだけではなくみんなが目を剥く。

 視線を集めたグラインは、恥じるように言葉を続けた。


「情けない話だが、この国の王も貴族も民のことなど気にしていない。私腹を肥やすことしか考えていないのだ」

「……あのおっさんを見れば、仕方がないって思うよ」


 実際、サムは魔法王を名乗るシューレン魔法国の王、ルルカス・シューレンと戦っている。

 ルルカスの言動は、王ではなかった。


「うーん」

「綾音さん、どうしたの?」

「金銀財宝があるのはいいんだけど、あのキモいおっさんの趣味ってめちゃくちゃ悪そうだから、悪趣味な財宝が出てきても嫌だなって」

「ありそう。自分の銅像とか建ててそう!」

「うわぁ、いらねぇ!」


 綾音とサムが笑う。

 クライドたちも苦笑してしまった。


「……いや、なんというか、本当に予想通りの悪趣味で申し訳ない」


 なぜかグラインが謝罪した。

 サムたちは、もしや、と思った。



「――銅像あるの!?」

「――金の像がある」

「趣味悪すぎ!」



 魔法王は本当にわかりやすい悪趣味を持つ王だった。






 シリアス先輩「国を建て直すために何かないかなって戻ってきたら想像以上にえぐいもんがありそうでシリアスな件」


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挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


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