54「彼女もついにデビューです」①
「本日は、新たな魔法少女をふたりお披露目させていただいたわん。で・も・ね! 三人目の魔法少女もいるのよん!」
大きな拍手が響く。
「え? まだいるの?」
「ギュンター……は、ないな。よし。まさかとは思うが陛下じゃないだろうな」
「ありえないと断言できないのが怖い。い、いや、キャサリンさんの娘さんとかじゃない?」
「そ、そうだよな。ここで世代交代もありかもしれないな!」
これ以上、誰が来るのだ、とサムとウルが嫌な汗をかいていると、緩やかな音楽を奏でていた演奏者たちが、ぴたり、と音を止めた。
そして会場に響き渡るドラムロール。今までにない演出に、サムとウルだけではなく、誰もが新たな魔法少女を待った。
「荒ぶる幼女! 永遠の幼女! 準魔王様のゾーイ・ストックウェルよー!」
「わぁあああああああああああああああああああああ!」
感情と拍手喝采が会場に響くと同時に、白い頬を真っ赤に染めたゾーイが、青と白の魔法少女衣装を身につけて登場した。
ただ、ゾーイにはスカートの丈が短すぎるように感じているのか、必死にスカートを伸ばそうとしている。
その姿が愛らしく、そしてなによりも、本当の意味でちゃんと魔法『少女』であることに、会場の拍手が大きくなる。
「あいつ……意外とノリがいいんだな」
「ノリというか、律儀なんだと思う。先日、酔っ払った勢いで魔法少女の契約書にサインしていたし」
「酔っていたのなら無効にしてやれよ。まるで悪魔の契約書だな」
ちゃんと魔法少女となり、お披露目パーティーにも参加しているあたり、サムの言うようにゾーイは律儀なのだろう。
実際、今までの彼女は面倒見が良く、甲斐甲斐しいところがある。
今回は、キャサリンのほうが一枚上手のようだ。
「すでにご存知の方は多いと思うけれど、お姉さんの妹分であるゾーイちゃんも、これからは魔法少女のひとりとして活躍していくわ」
「……酔った勢いで契約をしてしまった愚か者のゾーイです。お願いだから、パンツ見ないでください」
「まあ、ゾーイちゃんったら。今、履いているのは見られても問題ない下着だから平気よん」
「そんな下着があるかぁ! おい、こら! 見るな! はあはあするんじゃない! なんだお前ら、スカイ王国貴族ども!」
本来ならば、キャサリンたちでは逆立ちしても勝てないほど強いゾーイであるが、ちゃんと『魔法少女』である彼女に興奮気味のスカイ王国貴族たちに怯えている。
「ま、まあ、ある意味、ちゃんと少女だから良しとするか」
「そ、そうだね。本人が良いかどうかは置いておくとして。うん」
サムとウルは想像していた以上に可愛らしい魔法少女が現れたことに、ちょっとだけホッコリするのだった。
ゾーイさんはちゃんと契約を守る真面目さん!
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