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時の虜  作者: 古都麿
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第9話 陰謀

数週間後

「陛下、例の父親、吉村勇次郎の件ですが」

「裏は取れたのか?」

「清掃局が引き取りました」

「警察じゃなく?」

「はい、最初は警察でしたが」

「どういうことだ?」

「どうやら、陛下を探っていた者がいるようで」

「なに?」

「私どもも陛下が二重生活をされて詩織様と暮らしていたことを知ったのは

詩織様を紹介されてからですが

どうやら、それに気づいて探りを入れていたようです」

「宰相ですら知らなかった情報だぞ」

「まったく、恐ろしい諜報能力です」

「……」

「最初は陛下を調べていたようですが

詩織様とお暮らしなのを知って

詩織様もターゲットになったようで」

まさかそんなことが。

「そんな時に婚約発表があったため

詩織様の利用価値が高いと判断し

詩織様の関係者の中で利用できる者を探して

吉村勇次郎に行き着いたようです」

「それで?」

「吉村勇次郎に交通事故を起こさせ、負債を抱えさせて言いなりにした

歩美さんを追い込むのに義父というのも都合が良かったんでしょう」

「背後は?」

「まだ調査中ですが、おそらく米国かと」

「首脳会談は来月だったな」

「はい」

「わかった、引き続き調べてくれ」

「かしこまりました」


清掃局とは、帝国での隠語で諜報工作部隊のこと。世の中を綺麗にする仕事を担っていることから「清掃局」と呼ばれている。

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