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時の虜  作者: 古都麿
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第14話 始業式

3月末。

「さて、クラス分けと担任ですが」

俺が切り出すと、全員目を背けやがる。

「宮内省から、中野、吉村、長谷川の三名は同じクラスにという要請が来ています

ですから、この三人は別枠で考えましょう

担任は中山先生ということで」

「えっ、私ですか?」

「ええ、先生はこの一年間よくやってくれました

その実績を買ってるんですよ」

ほんとは慣れてるだろうというだけ。

「よろしくお願いしますよ、中山センセ!」

そう言って三人を押し付けた。

そこだけ決まればあとはいつも通り。

「でも、今年、受験生ですよ

皇帝の婚約者の受験なんて、どうすればいいんですか?

それだけじゃないです

三者面談、まさか皇帝陛下が来たりしませんよね?」

「さすがにそれはないでしょう」

今の、フラグだな。

「修学旅行もあるんですよ」

「そうですね、それが何か?」

こともなげに答えた。

中山先生は諦めたような表情でため息をついた。


始業式の日。

登校するとクラス分けが張り出されてた。

一組から順番に見ていく。

な、な、な……あっ、私1組だ。

は、は、は…志保も1組だ。

よ、よ……歩美も1組だ。

また三人、同じクラスで過ごせる。

もしかして、校長先生が気を回してくれたのかな。

「おはよう」

「あっ、志保、おはよう

今年も同じクラスだね」

「ほんと?」

クラス表を見て。

「あっ、ほんとだ」

「おはよう」

「あっ、歩美、おはよう」

「おはよう」

「三人同じクラスだよ」

「ほんと?」

「うん」

「よかった。今年もよろしくね」


一旦教室に移動して。

今年も担任は中山先生だった。

整列して体育館に向かう。

始業式はとても退屈だった。


始業式から教室に戻って。

「皆さん、今年はいよいよ三年生です

6月には修学旅行があります」

中山先生、なんか元気がない。

「年が明けたら受験です。

3年生の1学期と2学期で内申点の2/3が決まります」

先生、どうしたんだろう。

なんとなく、疲れてるような。

「最後まで、気を抜かないように頑張ってください」

そこまで言って、大きなため息をついた。


帰り道。

「中山先生、なんか元気なかったね」

歩美が心配そうに。

「そうだね」

確かに元気なかった。

「どうしたんだろう?」

歩美が疑問を口にすると。

「私たちのせいじゃない?」

志保がサラッと言う。

「えっ、どういうこと?」

なんで私たちのせい?

「だって、普通の生徒じゃないじゃん」

志保が面白そうに。

「あー」

歩美が納得したように。

「なるべくいい子で過ごそうね」

「私たち、いい子だよ」

ぷっ

あはは


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