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#9~サキュバス見習いのリリス

今回はちょっとえっちぃ(笑)

あまり露骨なのは避けようと思いつつも、

今回の話のテーマがそういうのだから仕方ないよね。

この路線は楽しいから、結構いくらでも書けそうw

挿絵(By みてみん)


人間が生きる上で、性エネルギー(リビドー)はとても大切なものである。


心理学の上でジークムント・フロイトは性衝動に限ったが、

カール・グスタフ・ユングは全ての本能エネルギーとして扱った。


奇しくも、人は歳を取るほどに生きる活力が減り、やがて死に至る。

そう考えると性エネルギー=生きる力として解釈出来るかも知れない。


そしてそのエネルギーが過剰であったり上手く発散させられない時、

その暴走が社会に対して攻撃的な形で発露してしまう事がある。


古来より人々はそうしたどうしようもないエネルギーを処理する存在として

『サキュバス』や『インキュバス』という悪魔を考えた。


今日でもそれらは人々の創作活動にしばしば現れて活躍を見せている。

今回はそんなサキュバスの見習いとしてリリスという悪魔が登場する。

彼女に性エネルギーを吸われた人間はどうなってしまうのだろうか。



カフェ店員の今竹いまだけ 貰人もらと28歳は、

若さを有効に使いカフェでアルバイト勤務していた。

この仕事もいつかは辞めなければならないだろうと考えながらも、

20代である自分はまだ大丈夫と、単調な日々を続けていた。


ある日彼が自宅マンションに帰宅した夜、

部屋の中で幼い少女がソファで横になり寝ていた。

小さな黒い羽にボンデージ調のゴシック衣装、

コスプレのような雰囲気に今竹の頭は混乱した。


「何だ、この子は・・・どこから入って来た?」


今竹の帰宅により部屋の空気が乱れ、それにより少女が起き出す。


「んぁ・・・え、・・・。

 あ、帰って来たんだね、お兄ちゃん。」


「え、あ、いや、帰って来たってここは僕のウチだぞ。

 キミ、誰だ?そしてどこから入って来た?」


「え~ヤだなぁ~、昨日の夢、覚えて無い?」


今竹は昨日の夢なんて覚えてはいなかった。

しかし、昨日起きた時に夢精していた事を思い出した。

そこから、何か凄く良い夢を見ていたような気がして、

記憶を深く探って行った時、この少女と会った事があるような、

そして更に記憶の探索を深めた時、ある事実を思い出した。


(あ、昨日夢の中でこの子とセックスしてたんだ・・。)


少女はまだどう見ても1〇歳程度で、幼い。

今竹は自身にそんな趣味が無い事を自覚している。

どうにも、いたたまれなくなった。


「あ、思い出してくれたんだね。

 アタシ、リリス。サキュバスの見習いであり、夢魔でもあるんだよ。

 波長の合った人の夢の中に入ってせっくすして、

 性エネルギーを貰って、それで成長して大人になるんだぁ。」


今竹は信じられないような話に面食らった。

しかし目の前の少女は実物だし、昨日の夢の記憶も思い出した。


「そんな事が・・・本当、なのか?」


「ふふ、確かめてみる?

 夢で一度契約を交わしたから現実に現れる事が出来たの。

 これで実物の体でえっち出来るね?」


今竹は理性が真っ先に反応した。

こんな年端も行かないような、自分の好みでも無い少女と、

あり得ない。サキュバスだと言うのならせめて、

もっと大人であれば誘いに乗っていたかも知れない。

だが、さすがに目の前の少女との行為はあり得ない。

ジェットコースターに乗れるかすら怪しい。


「あー、やっぱり。人間の男って、小さい女の子に興味あるのは

 『へんたい』さんくらいで、普通は引いちゃうんだよね。

 だけどさ、アタシだってサキュバスの卵なの。

 このくらいの歳の人間の女の子とは、テクニックとかも全然、

 ううん。むしろ人間の大人の女の人にも負けないよ?」


今竹はゴクリと喉を鳴らした。

正直今日は、とても溜まっている。

仕事中、同僚の尻の膨らみが気になりグラスを割った。

お客様のジーンズから覗く尻の割れ目の終わりに気を取られた。

今竹は誘惑に、負けそうになる。


(良いよな、だってここはボクの部屋だ。誰も見てない。

 それに、誘って来たのはこの子だ。

 ボクが無理矢理ってわけじゃない。こんなの、乗らない手があるか?)


今竹の理性は簡単に崩壊した。


少女は ”ニィ” と笑い、今竹に尻を擦り付けた。


「お兄さん、今日はお仕事で女の子達のお尻、

 気になっちゃってたんだぁ?」


今竹は記憶を読まれた事を恥ずかしいと思った。

しかしそれ以上に、自分の恥ずかしい記憶を知られた事に

どうしようも無い興奮を覚えた。


「うん、そうだよ・・・もうどうしようも無くて、

 職場のトイレで処理しようかとも思った。

 だけど今日は忙しくて・・・だからその、

 ウチに帰って来たらすぐに思い出して一人でしようと・・」


「ふふ、アタシが来て良かったね?

 お尻には、自信があるんだぁ。」


リリスの臀部は普通の人間の女性のそれよりも柔らかく、

今竹の全身を包み込むかのような感覚があった。


「ヤバい、コレだけでもう・・・」


今竹は、ハッと気付く。


「え、今ボク、コレだけでイきそうになってる?

 いやさすがに早過ぎるだろ、だってまだ、

 お尻を擦り付けられて5秒くらいだぞ?

 いくら溜まってたと言えコレは・・・」


「ふふ、戸惑ってるね、お兄さん♪

 良いんだよ?リリスのテクに1分我慢出来る人なんて、

 いないんだからさ。」


今竹は簡単に絶頂した。

いや、絶頂『させられた』と言った方が正しい。

それくらいに主導権を持たないまま、一方的にイかされた。


「嘘だろ、こんな・・・。」


「ふふ、早かったね。

 でも仕方ないんだよ?人間はサキュバスに勝てない。

 コレは大昔から変わらない構図なの。

 だって人間は欲望に弱いし、お兄さんだって、

 本当は好みじゃないこんな小さな女の子に欲情して、

 結局受け入れちゃったでしょ?

 まぁ最初に理性が外れ易い夢の中で刷り込んだとは言え、

 お兄さん理性弱々過ぎないかしら?

 普通、もうちょっと抵抗するものなんだけどな?」


今竹は今更になって、物凄く恥ずかしくなって来た。

理性が全く働かなかった。そして、こんな年端も行かない女の子に

良いようにされて一方的にイかされた事。


今竹は劣等感に苛まれて、泣き出してしまった。


「う、あ、ボ、ボク・・・弱過ぎる。恥ずかしい・・・。」


「わぁ、お兄さん、泣いちゃった。

 恥ずかしいね~、ヨシヨシ。」


リリスは胸元が開いたデザインの衣装で、

今竹の顔を胸元に抱き寄せた。むわっと濃厚な匂いに包まれる。

頭をなでなでと撫でられる。

その瞬間今竹は、二度目の絶頂を迎えた。


「う、あ・・・ボク、もうダメだ。

 この子の、虜なんだ・・・。」


今竹は自分が既にサキュバスに取り込まれてしまっている事を理解した。

しかしもう彼には、それに抗うだけの力は残されていなかった。


いや、そもそも昨日の夜にリリスと波長が合い、

夢に入り込まれてしまった時点で勝負は付いていた。

サキュバスに取り込まれて抗えた人間など一人もいない。

この人類の歴史により積み重ねられて来た欲望快楽への

抗い難い事実の中で、今竹もただ一人の犠牲者になっただけだ。


しかし犠牲者と言うにはあまりにも彼は幸せそうだった。

彼は結局この日、五回の絶頂を迎えた。

満足したリリスは部屋を去り、今竹は翌日、仕事を欠勤した。


心配して近所の同僚の女性が訪ねて来た。


「今竹君、大丈夫?」


今竹は彼女を見た途端に言った。


「ゴメン、ボクもう、人間の女の子じゃダメみたいだ。」


それから彼は仕事を辞め、またリリスに夢で逢う事を夢見て

ひたすらに布団の中で眠りを貪っている。

そして社会もいつしか彼の存在を忘れ、彼はやがて夢の中の住人となった。


しかしここで一つ疑問を投げかけたい。

リリスは本当に実在したのだろうか?

もしかすると彼女は今竹が見た夢の延長のキャラクターでは無いか。

彼の余りある欲求が具現化して、彼自身に見せた幻。

その可能性についても言及したい。

古来より人間はそうしたファンタジーの生物達を置く事で、

自身への戒めとしてそれらを外部存在として外へと追い出した。

しかし今回の彼のように、それを都合の良いシンボルとして扱い、

自らの思考に逆輸入するパターンも考えられるのだ。


どうか今日の夢にはご注意頂きたい。

もしあなたが夢の中で自分の理想とする欲求のはけ口を具現化すると、

それはやがて現実を侵食する。

もう二度と現実には帰って来れなくなるかも知れないからだ。

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