表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化】悪役令嬢(!?)の鑑なんてごめんです! だから殿下、ついて来ちゃダメです。  作者: 氷雨そら
破滅なんてゆるしません。だから殿下、一緒に抗ってください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/105

72 恋と友情と、思惑。



「あちらへ行こうか」


 アレス殿下が、私に手を差し伸べる。

 初めて会った子どもの頃、エスコートというよりも、手を繋いで教室に入った日が懐かしかった。


 あの頃から、アレス殿下は、当たり前のようにエスコートしてくる七歳児でも、あったけれど。


「リベラ殿下とレイチェル様!」


「……王太子殿下、そして未来の王太子妃ルルーシア様。この度は、ご機嫌麗しく」


「お久しぶりです。王国の希望、王太子殿下、そして未来の王太子妃ルルーシア様」


 第二王位継承者とその婚約者が、私にまで、二人が臣下の礼をしてきたことで、会場の緊張が高まる。


「あの。……お会いできて光栄です。リベラ殿下」


「ええ」


 にっこりと笑うと、アレス殿下にやはり似ていると思う。ホールにざわめきが起こる。


「……しかし、おそらく、義姉上が聞きたい内容は、この場所にそぐわないと思います」


 どうして、王位継承権を放棄してしまったのか、聞きたかったけれど、リベラ殿下の言う通りだ。


 それにしても、まだ何も話していないのに、この兄弟はどうなっているのだろうか。


「それより、レイチェルが、話をしたそうだ。あまり邪魔をすると……っいて」


 微笑んだままのレイチェル様は、教室内でも基本的に隙がない。だから、夜会でも普段と変わらないままだ。そう言うところ、好きだ。


 でも、既にリベラ殿下は、レイチェル様の手のひらの上という、感想しか出て来ない。


「ルルーシア様……。実は、私もお話ししたいことがあるのです」


 扇子で口元を隠して話し出した、レイチェル様。


「レイチェル様?」


「たぶん、ルルーシア様が知りたいことと関係ありますわ……」


 レイチェル様が、声のトーンを落とした。

 たぶんそれも、ここで話すような話ではないのだろう。


「……それなら、久しぶりにあの部屋でお待ちしています」


 あの部屋といえば、あの部屋だ。

 おそらく王国中で、一番機密が漏洩しにくいあの部屋。


 今回の一連の出来事の、ご報告も兼ねて、それからお約束していた、珍しい素材も持って、押しかけよう。


「っ……ルルーシア様! 宜しいのですか?」


「私たちは、友人ですもの。当然ですわ」


 そう声をかけた瞬間、レイチェル様の表情が僅かに曇ったのを、私は見逃すことはなかった。


 ……友人だと、思っていたのだけれど?

 でも、レイチェル様は、私が危険と思えば、必死に駆けつけてくれた。


 信じているし、それを世間では、友情というのだと思う。


「嬉しいですわ……」


 レイチェル様は、笑った。どこか、寂しそうに、悲しげに。


 そんなレイチェル様の様子は気になったけれど、そのあとは、アレス殿下と貴族たちからの挨拶を受けて過ごした。


 政治的な思惑が交差しているのを感じながら、私は悪役令嬢ルルーシアを思い出して頑張った。


 遠目に見た、レイチェル様とリベラ殿下は、かつての私たちのような笑顔で、それでも二人一緒に過ごしていた。

最後までご覧いただきありがとうございました。


『☆☆☆☆☆』からの評価やブクマいただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ