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【電子書籍化】悪役令嬢(!?)の鑑なんてごめんです! だから殿下、ついて来ちゃダメです。  作者: 氷雨そら
破滅なんてゆるしません。だから殿下、一緒に抗ってください。

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33 ヒロインの属性が……。



 黙ってお辞儀されている。

 アイシラ・クリスタル。小説のヒロインが私の前で深く頭を垂れている。


「…………?」


「ルル、目上のものから挨拶しないと」


「あ! ルルーシア・フリーディルですわ!」


 ああ、残念な私。

 やれば出来るんですよ?

 だって、王城で礼儀作法の勉強も頑張っていますし。褒められてますし……。


 ただね、冒険者をしている時間の方が長いからというか、練習と実践は違うというか。


「……アイシラさん。どうぞ、楽になさって? ここでは、平等なのですから」


「くっ!」


 口元を押さえたカトルが、教室の床を見つめて震えている。何故そうなっているのかは、だいたい想像がつくけれど。


「カトル? 言いたいことがあるなら、言った方がいいですよ?」


「いや、アレスはやっぱり王族の威厳みたいなのがいつもあるけど、ルルーシアが貴族然としているなんて、なんだかおかしくて」


 いえ、一応第一王子の婚約者で、伯爵家令嬢なのですが?


 そして、言って良いと言ったけれど、本当に言うんですね。さすが、未来のS級冒険者に一番近い男は違いますね。


「……先日は、失礼しました。倒れてしまうなんて」


「いいえっ。大丈夫でしたか? あの、改めまして、アイシラ・クリスタルです。どうぞよろしくお願いいたします。フリーディル様」


「ルルーシアと呼んでください。ちなみに様はいりません」


「えっあの! えっと……ルルーシア?」


「ええ、よろしく。アイシラ」


 魔力枯渇の不快感はあっても、もう私の魔力がアイシラに流れ込むことはない。


 アイシラの頬が見る間に赤くなっていく。さすがヒロイン、可愛い。



 ✳︎ ✳︎ ✳︎



 ヒロイン可愛い。

 そう思っていた時期が、私にもありました。


 まず初めに、アイシラが足を取られてぶつかり、教室に飾れていた花瓶が木っ端微塵になった。そしてアイシラは、びしょ濡れになった。


 仕方がないので、持っていたタオルで拭いてあげた。そして、制服のスペアを貸してあげた。


 続いて、移動教室のため教室から出ようとした時、少し飛び出ていたらしい釘に制服の裾が引っかかり貸してあげたスカートがビリビリに破けた。


「申し訳ありません!」


「いいの。沢山あるから」


 制服の予備はもうないので、体操服を貸してあげた。


 半泣きになっているアイシラ。

 最後に、学園の憩いの場である噴水に落ちそうになったので、助けたら一緒に落ちてしまった。


 まさか、これが全部小説の中では、悪役令嬢の仕業になっていたのだろうか?


 ……ドジっ子属性のヒロインなのだとしても、酷すぎない?

 え? 冒険者クラスって、危険なんだけれど、生き残れる?


 流石に私ももう着替えを持っていない。

 アイシラは平謝りしてくるけれど、仕方がないのでフリーディル伯爵家から新しい制服を二着届けてもらった。


 冒険者クラスでは、制服はすぐボロボロになる。だから予備は沢山持っている。


 今度、魔獣の素材を使って、決して破けない制服でも作ろうかしら?


「差し上げるわ」


「ううっ、ありがとうございますぅ」


 こうして、ヒロインと悪役令嬢の奇妙な学園生活は幕を開けたのだった。



最後までご覧いただきありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒロインはドジっ子属性?にしてもなんだか激しいような〜 まさか呪いとか?笑 リリーシアは、完全にアイシア係になってますね(^◇^;)
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