19 ここが冒険者ギルドなんですね!
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父と一緒に来た冒険者ギルドは、小説にも書かれていたように、少し柄の悪い場所だった。イメージ通りで緊張もあるけれど、ワクワクする気持ちの方が大きくなる。
「――――おそらくルルちゃんは大丈夫だと思うけど、絡まれたらやり返すんだよ?」
娘に向かって言うことですか? 一応伯爵令嬢のはずですよ。
「肝に銘じておきます」
まあ、これから冒険者をするのだから、当然だろう。しかし、どう考えても強そうには見えない父と、幼い少女。絡まれるのは時間の問題だったようだ。
私たちを、柄の悪い男たちが取り囲む。
「はぁ。いつのまに、ギルドはこんなにもガラが悪くなったのかな? 俺たちに用がある?」
「ああ、新入りにわからせてやろ……ふぐぁっ?!」
テンプレのセリフ……最後まで聞けなかった。
それだけが残念だ。
それにしても、私たちを囲んだ人たちが全員倒れているんですが、何が起こったのでしょうね?
父のことを見上げると、笑顔のまま私にウインクしてきた。たしかに可愛いですけどね!
ギルドの奥から、身なりのいい焦げ茶色の髪と瞳をした男性が慌てた様子で出てきた。
初日から問題を起こしたらまずいのではないだろうか。
しかし何故かその男性が父に抱きついた。
「ご無沙汰してます! ルドルフ殿!」
ギルドの中が、静まり返る。それはそうだろう。大人二人がいきなり抱き合っているのだから。
「あー。バルト、今のギルド長お前か?」
「今は、総ギルド長をしております」
「そうか、ずいぶん出世したな。……ところで新人冒険者に絡むようなやつらを放っておくな。ギルドの品位が疑われるぞ?」
「申し訳ありません!」
厳しい表情をしていた父は穏やかな笑みに戻ると総ギルド長の頭をポンポンと二回叩いた。
「ま、元気そうで何よりだ」
なぜか、総ギルド長が涙ぐんでいる。
二人の関係が気になって仕方がないのですが?
「……はい。ところで、そちらのお嬢さんが例の」
「ああそうだ。俺の復帰手続きと娘の冒険者登録を頼む」
その瞬間、静まり返っていたギルドの中が急に騒がしくなる。さらには何人か外へ飛び出して行く人までいる。
「復帰……されるのですね」
「ああ、必要になったからな」
周囲の様子を気にもしていないかのように、父はいつも通り穏やかな表情のまま微笑んだ。
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