962:勿忘草 forget me not
という訳で確実に増えそうな一人です。初出は451話。
「まず睦月さんですわ」
「渚……睦月さんは違うと思うんだけど」
「もう名前の呼び捨てですの!?」
「あ、いや、仕事では睦月さんってちゃんと呼んでるよ?」
「プライベートでは呼び捨てですのね?」
「まあ、向こうも呼び捨てにしてるから」
「やっぱりですわ!」
それからも澪ちゃんはキーキー叫んで手がつけられなくなっていた。
「萌さんも怪しいですね」
「そう? 可愛い後輩だよ?」
「長年縛られてた運命から解き放ってしかも座敷わらしさんまで救い出してくれた綺麗で強いお姉様」
「なんか凄い形容の仕方だね」
「私は怪しいと思うんですよね」
楓ちゃんが腕を組んでうむうむと言ってる。
「香子ちゃんが入ると香子ちゃんのハーレムメンバー全員入りそうだもんねー」
「ハル? 香子ちゃんのハーレムメンバーって何よ?」
「えーと、ルーちゃんに、ゆうちゃん、あと輝龍ちゃんも居たよねー」
まだ輝龍ちゃん来るの先の話だと思うんだけど……でもまあ香子ちゃんはハーレムを築いてるようだ。なんか複雑だなあ。
「あのう、私はひとみさんの事を慕ってますけど、それは母親替わりだし恩人だからです。というか皆さんがいるのを見てそこに入り込もうとは思いませんし、何より、もう私とひとみさんには確かな絆がありますから」
香子ちゃんがトホホな顔しながら話している。自分のハーレムの事に言及しなかったのはバカバカしいと思ってるからなのか、それとも順調に進んでるからなのか……
「葛城さんもいらっしゃいますしね」
葵さんの言葉にみんなは言葉を失った。沈黙が支配する。
「誰でしたっけ?」
この場の誰もが思っては居たけど聞くのもなあと考えていた事をあっさりと言ってしまう楓ちゃん。
「葛城琴葉ちゃんですよ。ほら、不老不死になって帰ってくるって言い残して去っていった」
…………あああああ! あのリヴァイアサンの依代だった抜刀娘か! いやまあ、不老不死になるって言ったってそう簡単にはなれないんだから一先ず放っておいていいのでは? そう簡単に不老不死にはなれないのだ。ちなみにこの空間の不老不死率百パーセントなんだが。
「他にもテンペストとかキャサリンちゃんとか」
「テンペストは私の配下だし、キャサリンちゃんは私の天使」
「あかるんとか」
その名前は出すな!
「呼んだぁ?」
登場と同時に私の胸を揉むのやめて欲しい。あのさ、小さいのは分かってるけど、背中に押し付けられるボリュームと相手に伝わってるであろう私の胸囲の感触とを比べるとほら、涙が……
「で、何の用なんですか、阿加流姫?」
「やだなあ、ひとみん。私の事はあかるんって呼んでってば」
「その手を離してくれたらあかるんって呼びます。で、本当に何の用ですか?」
「んー? いやね、琴葉って名前が聞こえた気がしたから」
……なんですと? いや、ちょっと待って? なんであかるんが琴葉ちゃんの事知ってんですか?
「え? なんでって琴葉って人鞘目指してるあの子でしょ?」
人鞘?
「妖刀の一部と化した人間の事。妖刀が消滅するまで死なないんだよ。で、お兄ちゃんが妖刀を用意したからやってみろってやってて今適応中なんだよね。凄いよね」
てことは琴葉ちゃん、帰ってくるって事かな? ううむ、どうしよう。




