777:FEVER!
みんなで殴れば怖くない!
ハルに「あれ、交渉とか出来る雰囲気じゃないと思うよー」って説得されたから全員でいく事にした。ドライアドが他の奴らは拘束してくれるそうな。
「よし、じゃあまず私から行っくよー!」
楓ちゃんがいち早く飛び出した。軌道にウリエルが炎剣を置く。
「オン・ベイシラマンダヤ・ソワカ!」
楓ちゃんが何やら唱えると持ってた武器……独鈷杵かな?から稲光が走り、炎剣と相殺した。
「なんだと!?」
「フライングクロスチョーップ!」
どこぞの天空✕字拳の如く腕を交差させたまま、打撃が腹にヒット。
「な、なんのこれしき……」
畳み掛けるように澪ちゃんが金色の粉を展開する。
「ヒドラ!」
毒はないけど多頭の蛇の形になった金色の粉は、それぞれが意思を持っているかの様にウリエルに襲いかかっていった。
「ぐっ、こんなもの全て灰燼と化してやる!」
「じゃあこれはどうですか?」
葵さんが大量の水をどこからか持って来て水圧ごとウリエルにぶつけた。
「うおっ!? くっ、これじゃあどうしようもねえ!」
渋々退こうとしたウリエルだったが、その身体の前に立ちはだかったのはハル。
「にーがさないよーん」
「吸血鬼風情が!」
炎剣を振るおうとしたが、炎剣は大量の水に囚われていた。もしもの時の為に葵さんがやってくれた。
「動かん!?」
「ヴァンパイアパーンチ!」
「ぶぐぅ!」
「熾天使ウリエル! 君が、謝るまで、殴るのをやめない!」
右に左にと頭が揺れる。完全にサンドバッグ状態だ。
「調子に乗るなよ……!」
ウリエルが炎剣に光を注ぐと今まで剣を捕らえていた水球が蒸発した。
「太陽の光と同等の熱量を持つ、炎剣を舐めるな!」
太陽の光と同等? 表面でも摂氏六千度だよ!? そんなの本気で振るわれたら……
「もう許さねえ。全員炎剣で焼き尽くしてやるぜ!」
「させるもんか! イフリート!」
「お呼びですか?」
「あの剣の炎を抑えて!」
「ふむ、なかなか難しいですがやってみましょう」
イフリートを呼び出し炎剣を抑えさせる。と言っても恒星の表面温度に匹敵する温度を一人でどうこうしようってのは難しいよね。どうしたら……
「テンペスト」
「はーい」
「あいつの周りの酸素を減らして!」
「ええー? まあ大丈夫だと思うけど多分、あの剣、それだと消えないと思うよ。酸素で燃えてなさそうだもん」
まあ太陽も酸素で燃えてるわけじゃないしな。核融合反応だもんね。これはレーヴァテイン出す? いや、あれは地形変わるし、何より炎剣とぶつかったらどうなるか分からない。
「灰燼に帰せ、天上の業火よ、我らが主の威光をここに!」
「くそ、あんなのに負けるか!」
私は刀身をその身で抑えつけた。
「ひとみん!?」
ハルを初め、その場のみんながギョッとして私を引き剥がしにかかった。いや、でも、熱くないよ?
「何故だ……何故燃えねえ? お前、ナニモンだ?」
「あらあら、おイタはダメですよー」
どこからともなく十七歳的な声が聞こえた。ってガブリエルさん!?
「なっ、テメー!」
「ウリ君、ひっさしぶりぃー」
「いや、オイ、離れろよ、こっち来んな!」
「あらあら、いつもみたいに甘えてもいいのよ?」
「甘えてねえよ! 誤解招くような事言うんじゃねえ!」
ガブリエルさんの登場で一気に場が白けた。




