776:神の炎
四大天使、一応全員出る予定です。
何とか必死に楓ちゃんを止めて拘束程度にしておいた。まあ楓ちゃんは渋々だけど従ってくれた。
ノイマンはハルが取り押さえてる。まあ計算しか能がないんだから当然か。世が世なら万の大軍を縦横自在に率いていたかもしれないけど、策士なんてこんなもんよね。そもそも私らにケンカ売ったのが計算違いでしょ。
私はアナスンと対峙している。さっきから私が飄々としてるからかなり頭に来ているのだろう。両手にいくつもの黒剣を持っていた。
「余所見をするなぁ!」
おっと、凄い攻撃が私を襲う。信じられない膂力で私を殴りつけて来た。右、左、右と左右交互に叩きつける黒剣は凄まじい衝撃とともに私を襲う。いや、衝撃は凄いけど効いてはいないよ?
「なんで、なんで効いてないんですかぁ!?」
「あー、うん、話すと長くなるんだよね。そろそろ無駄な事はやめて……」
「我ら主の信徒たる者が、この様な極東の僻地で文明からこぼれた様な奴輩に負けるなど……」
酷い言われようだな、オイ。
「かくなる上は切り札たる天使を召喚するしかない!」
また天使? やらせたくないなあ。
「我が身体を依代として、顕現を望みます、ウリエル様!」
アナスンの身体が輝いた。その背中から光の翼が生え、手には輝く光の玉があった。
「んんー? 顕現しちまったのか? なんだよ、せっかく真面目に門番やってたのによ」
口調が変わってる。今までのアナスンじゃないって事か。
「なんだ、テメーは。邪魔だな。消えろ」
手に持った光の玉から一振りの剣が出て来て私に向かって振り下ろされた。えっ!?
「ひとみん、防御!」
ハルが叫んだから咄嗟に天叢雲剣を出して受け止めた。なんだ、今の……
「ほう? オレの炎剣を止めるかよ。おもしれぇな、オイ」
ウリエル?は楽しげにニヤリと口の端を歪めた。私は未だに頭の中に?マークでいっぱいである。
「えーと、アナスンさんじゃ無さそうですね」
「オレか? オレは「神の炎」と呼ばれたウリエルだ。どうやらこの男の身体を使って顕現させられたらしい。全く面倒な」
「面倒なら帰ってもらってもいいんじゃないですかね?」
「せっかく呼ばれたのにそういう訳にもいかんわな。それにあんた。オレの一撃止めるなんてすげぇのな。こりゃあやり合わない手はないだろ?」
これだから脳筋は! 素戔嗚尊様とかインドラ様とかあの辺呼んで来たいわ。仕方ない。それなら私は何とか頑張るよ。あの威力を楓ちゃんと澪ちゃんは勿論、ハルとか葵さんに撃たれてもヤバいもんね。いや、楓ちゃんなら止められるのかな?
「人の身体だと本気出せねえからよ。手加減はしてやるぜ?」
私は問答無用で天叢雲剣を振り下ろした。うん。天使なら殺っても犯罪じゃないよね! あ、でもアナスンが依代だと依代が危なくなっちゃうのか……うーん
「何をごちゃごちゃやってんだゴルァ!」
脳筋ウリエルは再び炎剣を振るった。振るった空間に斬撃が走り、後から炎が追い付いて空間ごと焼いていた様だった。この世界をどうしようっていうのだろう。何とかしなくちゃ。
「ひとみん、このハルに策がありますよー」
「へー、珍しい。言ってみなよ」
「みんなで袋叩きにするんだよー」
アホか! 交渉出来んことなるわ! とは言ってもどうしたもんかね。




