772:十傑集集結(十人とは言ってない)
我々の、主の為に!
「まずは不死身の聖人アナスン。黒剣という魔力を使って作った武器を自在に操りたたかう魔人よ」
「あー、それは知ってる」
さっき戦ったしね。
「噂では作戦成功率百パーセントだとか……」
「失敗したから百パーセントじゃなくなったんじゃない?」
えーと、自分の成功率が百パーセントから高確率になったからって私らを処しに来るの? そらはあまりにも無茶だ。
「次にこいつ。狙撃の聖人、ウィリアムです」
「狙撃の聖人?」
「能力は必中。スナイパーライフルを使いますが撃った弾丸が誘導される様に飛んでいきます」
まあライフル弾くらいなら無効化出来るからこれまた問題ない。
「次はこいつ。抜刀術の聖人、四方田」
「あら、日本人?」
「島原の何とか流とかいう抜刀術の遣い手らしいわ。能力は円。範囲内の敵を切り落とすという問答無用な能力」
ろくな奴が居ないな。日常生活送れてんの?
「次のこいつが計算の聖人、ノイマン」
「フォン・ノイマンくらいは私でも知ってる。コンピュータの父でしょ」
「勿論本人ではありません。能力は演算。作戦立案には欠かせません」
ま、まあ? 後方に置いといた方がいいんじゃないかというのはこの際だからおいておこう。
「更に魔術の聖人、アズライト」
魔術!? えーと、つまり、この世界でも魔法が使える奴は居ると?
「どちらかと言うとアズライトはトリックと言うか奇術のたぐいらしいけど」
ああ、錯覚とか利用するのね。これまた普通の自然現象なんだけど。もしかしてこいつら弱い?
「えー、能力は幻術。敵に幻を見せます」
「攻撃魔法とかじゃないんだ」
「この世界で攻撃魔法って殆どの人は使えないよ?」
「私使えるけど?」
「あなたのは精霊が忖度してるだけで魔法じゃないと思いますけど。他の人には使えないし」
どうやら私の魔法は汎用性に欠けるらしい。しかし、私がやってるの魔法じゃなかったのかあ。
「そんでこいつ。火炎の聖人ヴェロア」
「発火能力者?」
「そうね。ファイアースターターだわ。性格は短期で気に入らないことがあると直ぐに燃やすみたい」
傍迷惑な放火魔である。こっちに来たなら真っ先にたおさなきゃ。
「他にも居るそうだけど私が把握してるのはこれだけ」
「ありがとうございます。助かりました」
まあ全員引連れて来る訳じゃないだろうからこの中から何人かが来るんだろうな。
そう思ってた時期が私にもありました。
「また会いましたねぇ、ミスひとみぃ」
傍迷惑なアナスンとその横に並ぶ聖人たち。写真に載ってた奴が全員居るように見えるのは気の所為? いや、ほら、幻覚、幻覚だよね。確か幻作り出す奴がいたでしょ?
「ひとみにかかれば幻覚は全部看破出来るよね」
「……まあね」
香子ちゃんも持ってる精霊眼。物事の本質を見抜くというもの。幻覚は使ってないみたいだね。よーし、ひのふのみ……やっぱり全員居るんじゃない?!
「貴方の強さに敬意を表してぇ、全員でいかせていただきますぅ」
「あー、それはいいけど後ちょっと待って」
「援軍でも呼ばれますかぁ?」
「いやいや、後五分で十五時だからそれから相手してあげる。一応店頭が開いてる時間は中手伝いたいし」
「はぁ?」
アナスンの頭の中には?マークが浮かんでるのかもしれないけど、一応仕事中だからね。十五時過ぎたら債権回収って名目で自由に動くけど。




