766:約束の地
教団なんて自分勝手な人間しかトップに居られないんだよね(偏見)
「放せ、放さんか人間ども!」
残念ながらここには人間は一人も居ないんだよなあ。いや、気持ちの上ではみんな人間だけど。
「それで使徒クリネックスだっけ?」
「エリエルだ!」
「ああ、そうそうそれそれ。一体なんでこんなアホな事したの?」
「貴様らに言っても分かるまい。この地は我らが約束の地なのだ!」
は? 約束の地ってナイルとかユーフラテスとかの辺りでしょ? なんでこんなとかいなかの中途半端な規模の地方都市になる訳?
「この地は我らの住み良い田舎ランキングで一位に輝いた。よって我らはここに教団を構え、生活する事にしたのだ!」
とことん迷惑だな、オイ!
「えーと、だったら爆破するのは早計に思えるんだけど?」
「爆破した後に我々の使い良い施設を建てれば良い。スクラップアンドビルドというやつだ」
ほっといても潰れちゃうもんを加速させてどうする。まあ爆破は止めたけど。二十箇所くらいあったらしい。ご苦労様。
「どうやら爆破は上手くいかん様だがこれで勝ったと思うなよ?」
「まだなんか悪あがきする気?」
「ここの教団には侵入者の排除をする機能がまだ残っているのだよ。それがこれだ! いでよ、ゴライアス!」
ごごごと地面が揺れて壁に入口が出来てそこから巨大なロボット?が出てきた。うーん、まあ大きいっちゃ大きいけどブランちゃんのルーク程じゃないなあ。
「叩いて砕け、ゴライアス!」
巨人の剛腕が振り下ろされる。それを片手で食い止めたのは楓ちゃんである。
「楓ちゃん!?」
「あー、良かった。そのままついて来たは良いけど居なかったことにされそうで」
ソンナコトナイヨー?
「どっせーい!」
楓ちゃんは振り下ろされた腕を掴んで壁に向かって投げ飛ばした。そして頭をもいだ。以前に「ゴーレムは身体のどこかにあるEMETHから頭の「E」を消せばいい」とハルがみんなの前で言っていた。実際、頭のところにある、EMETHから「E」が消えて動けなくなってるんだもん。
「さあ、観念しなさい」
「くっ、こうなったら……先生、お願いします!」
「人間相手にするのはつまらんのだが……」
出て来たのは……鴉天狗?
「なっ、なんでお主がこんな所に!?」
「あー、えっと懲らしめる為?」
「……左様で。あ、そうそう、香子殿はご壮健ですかな?」
「あ、うん。上手くやってるみたいよ」
「そうですかそうですか。では身共達はこれにて」
待てい! 結局なんで居るのかそっちの事情を話してくれてないよな?
「その前に呆然としてるそこの使徒を何とか……」
って言ったら疾風の様な速度で楓ちゃんがフライングレッグラリアートからジャーマンスープレックスホールドで黙らせてた。パンツ見えてるよ?
「さ、説明しなさい」
「はい……」
鴉天狗たちの語った事によると、森林を買い取って自分たちの住処にしようとしたらしい。それで先立つものが必要になって近くにいたヤツらに金を稼ぐ手段を聞いたそうな。そしたらそいつらが教団のヤツらで今回の計画を持ち掛けられたらしい。
「怪しいと思わなかったの?」
「いや、住処を人間に追われたと言ってましたし、人間よりは信用が出来るかなと……」
引きこもりだから対人スキルなかったのね。それじゃあまあ騙されても仕方ないか。ん? てことは爆薬仕掛けたのも……
「無論我らです。効率よく破壊する為に頑張りました!」




