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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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761:天使の輪

収納式輪っか(階級によって入る量は異なります)

 お引越し、と言っても持っていく物も殆ど無い。日頃二人が学校で使ってる勉強道具くらいだ。冷蔵庫とか洗濯機とかは最新のものが新居にあるしね。もちろん、真那さんも持っていく物は……にゃーん


 にゃーん!?


 ふと見ると押し入れからミルクの入ったお皿と子猫が二匹出てきた。


「こっ、こっ、こっ、こっ、こ!れ!は!」

「えー? なんでネコが居るの!?」


 どうやら今日香ちゃんも知らなかったようだ。


「あのね、あのね、この子、私が拾ってきたの」


 どうやら明日香ちゃんが拾ってきたらしい。でも、隠しただけでどうしていいか分からなくなって困ってたんだと。だとするとエサをあげたのは……


「あ、はーい、私ですよ」

「ガブ……真那さん?」

「生きとし生けるものを慈しむのは当然の行為ではありませんか。それに押し入れでお腹を空かせていた子猫をあなたは放っておけと?」


 いや、私がその場にいたらなんとしてでも子猫を助けると思うな。だから私的には真那さんのやった事は正しいと言える。でも……


「そりゃあ……そうかもだけど、その分私たちの、明日香のご飯が減っちゃうんだよ?」


 収入が少ないほどエンゲル係数は高くなる。ミルクも食事に回すべきものだ。一番は子供の成長なのだから。でも……


「やだやだやだやだ、にゃーたちと一緒じゃなきゃやだ!」


 今日香ちゃんの言葉に明日香ちゃんが返したのは単なるわがまま。何の解決にもならない言葉だった。


「そうだわ、霊体にすれば食費は掛からなくなるわよ」

「あの、真那さん? それって死んでるのと同義では?」

「主の下へ召されてないからセーフ」

「いや、お宅の主、今行方不明ですよね?」


 真那さんが訳分からないことを言い出したので二人に気付かれないようにつっこんどいた。二人は子猫たちをどうするかで言い合いを続けている。


「私が養育費出してもいいけどー?」

「いや、それじゃあいつまでも三人が独立というか束縛されたままじゃん」

「束縛する気はないよー、(ひとみん以外は)」


 今こっそり言ったのも聞こえてるからな! 油断も隙もねえなあ。まあハルになら二、三日ぐらいなら監禁されても別に……いやいやいや!


「じゃあこの子たち置いて行くの?」

「ううっ、そんな事言われてもぉ……」


 明日香ちゃんのきらきらおめめ! こうかはばつぐんだ! 今日香ちゃんは折れた。


「わかった。じゃあその子たちも新しい家に連れて行こう。良いですよね、ハルさん?」

「あっ、うん、別にペット禁止でも無いしねー」


 三井さんも特に言ってなかったし、そもそも賃貸じゃない物件だったからなあ。斯くしてネコちゃん二匹を含めて引越しする事になった。


 明日香ちゃんはネコを二匹とも抱いて、今日香ちゃんは明日香ちゃんのランドセルも一緒に持って、真那さんは……何も持ってなかった。


「真那さん、荷物は?」

「エンジェルリングの中ですよ?」

「その輪っか、収納スペースなの!? じゃなくて、ちゃんと手で持ってください。二人に天使ってバレたらどうするんですか!」

「えーと、記憶をちょちょいといじって……」

「小学児童を洗脳するな!」


 真那さんを忘れ物したと取りに帰らせて、輪っかの中の荷物を手で持ってくる様に言う。というか持ちやすいように紙袋用意してやったんだろうが! 直ぐに戻って来て新居にたどり着いた途端、今日香ちゃんは呆然として立ち尽くしていた。

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