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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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749:支店への帰還

あ、副支店長出すの忘れてた。

「それで進捗はどうなっている?どうなっている?」


 翌日、支店に行ったらこの有様である。支店長が直々に報告を聞くと言うのだ。書類にする時間とか私は嫌だから口頭で勘弁してもらった。


「ケーキ屋の方はもうすぐ返済計画が練れそうです。今のままの客足ですと順調に返済出来ると」

「なるほど。アパートの方はどうだ?」

「唯一の住人を代替地へ引っ越させた後に取り壊しが決まっております」

「そうか……その土地は丸角さんが買うと言っていたから問題はなさそうだな」


 どうやら問題は無い様だ。


「それからこれは追加分だ」

「は? え? あの、それはどういう……」

「この地域内の本部管轄物件も回収させてみろとお達しがあってな」


 どうやら私がスムーズに仕事をしているのが気に入らないのか、それとも勝ち馬に乗るが如くあれもこれもやらせようというのかは分からないが本部の焦げ付きを私が回収するらしい。やれやれだ。


 さらっと目を通すとどこかで見た事ある様な洒落た名前のお店が……ああ、ここ、昨日の晩に食べに行った店だ!


「あの、支店長?」

「なんだね? 昨日ちょっとこの中のお店に行ったのですが……」

「ん? それは偶然だな。で、どうしたんだ?」

「その時に店主というかシェフの方と喧嘩をしてしまって追い出されたんです」

「それはまた……しかし、客ではなく金融機関の人間として行くのだから気にする事はあるまい」

「そんなものですかね……」


 追加の新たなリストを貰って出て来たら弥生さんが居た。


「先輩先輩、一体休んで何やってたんですかあ?」

「あー、弥生さん。札勘の練習は?」

「飽きました! それよりも何やってたのか教えてくださいよう」

「不良債権の回収」

「不良債権ですか?」

「そうだよ」

「面倒そうですね」

「面倒だよ」

「……」

「……」


 沈黙の後、弥生さんは弾かれたように飛び上がった。


「あっ! そうだそうだ。私、中村先輩に呼ばれてたんでした! じゃあまたです!」


 去っていくのはいいけど、そっちに先輩は居ないぞ? と思ったら渉外の男の人のところで話し出した。いやまあ支店内のコミュニケーションは大事だけど雑談は今するこっちゃねーぞ。せめてシャッター下りてからにしろ。


「いやあ、参りましたよ」

「あ、睦月さん」

「霜月さんを見張るのは別の人に任せたお陰で私もすっかり銀行員みたいになってますよ」

「えっ? 睦月さんは銀行員でしょ?」

「……霜月さん、一応私、内調のエリートだったんですけど」

「あ、そうなんだ。でもそれならこんな田舎に来ないよね?」

「最重要ターゲットのあなたがここに居るからじゃないですか! 一定以上の買い物の度に関門大橋渡るのは面倒なんですよ!」


 なるほど。とはいえ私はこの街が好きだからな。ママの妖精鄉もここにあるし。


「まあその内いい事あるよ」

「いい筋肉あります?」

「いい筋肉かは分からないけど、あったら連絡してあげるから」


 指切りをして支店を出る。またしばらくは出社しなくて良いという事になった。かなり変則的だけどね。まあアパートは引越しが終わった時点で報告しろとは言われた。


「ひとみっちー!」

「あっ、先輩」


 支店を出たところで先輩に捕まった。さっき居ないと言ったのは先輩が手形交換に行ってたからだ。回収した手形を手形交換所に持ち込むのである。


「ひとみっちに抱きつけないと一日が始まった気がしないから早く戻って来てね」

「旦那さんで我慢してください」

「旦那に抱かれるのと女の子を抱き締めるのとじゃ得られる成分が違うんだよね」


 堪能された後に買い物へ。晩ご飯は……ワイン煮込みじゃないけど牛肉の煮込み作ってやるか。

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― 新着の感想 ―
[一言] >「……霜月さん、一応私、内調のエリートだったんですけど」 “だった” …………なんと過去形ですよ(´;ω;`)
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