730:お掃除をしよう
簡単お風呂掃除()
「いただきます」
みんなでカレーを食べる。うん、甘口だけどまずまず美味しい。
「おいしー!」
「そうだね、美味しいね」
今日香ちゃんと明日香ちゃんは一心不乱にカレーを頬張ってる。そんなに慌てなくてもまだあるからね。
「美味しい……でも、僕一人じゃ……」
悟君は不格好な野菜を眺めながら呟いていた。しばらく特訓かなあ……
「お兄さん、手伝ってくれてありがとうございます」
「え? あ、いや、僕の仕事なんだから。むしろ僕が謝らなきゃ……」
「私、お兄さんのお手伝いするの好きです」
顔を真っ赤に染めながら今日香ちゃんは言った。その言葉に悟君も顔を染めた。いや、小学生の言葉に顔を染める成人ってどうよ?
「ねえ、ひとみん。あの人大丈夫なの?」
「スキルは大丈夫じゃないかもしれないけどそれ以上にあの子たちが頼ることの出来る大人が少なすぎるんだって」
三井さんも気に掛けてくれている様だけど飽くまで気に掛ける程度だ。面倒を見てやろうという状況にはならない。だって小学生が二人だよ? 普通に考えてやっていける訳ないじゃん! だからやっていける様に人を配置しようと思ったんだよ。まあやる気はあるし、これから伸びるかもしれないけど。
「んー、まあ、そういう事なら出してもいいよー」
「こういう時、いっつもハル頼っちゃうよね」
「その為に稼いでんだからひとみんは気にしなくていーよー」
にひひと笑うハル。全く嫌なやつだ。つい甘えたくなってしまう。
「えー、悟君、だっけ?」
「あ、はい。なんでしょう」
「これ、渡しとくね」
「これは?」
「キャッシュカード。そこの口座には百万程入ってる」
「ひゃく!?」
百万円。貧乏学生にとっては大金だけど、ハルにとっては端金だ。
「それで必要なもの買ってー。暗証番号はねー、0286」
「暗証番号って……いいんですか? これ持って逃げるかもしれませんよ」
「そうなったらそうなった時だよー。べーつに百万くらいでつべこべ言わないからさー。この子たちを助けてくれるならねー」
にかっと笑ったハルに今日香ちゃんが聞いた。
「どうして、どうしてハルお姉さんは会ったばかりの私たちにそんなに良くしてくれるんですか?」
「えーとねー、ひとみんがそれを望んだからだよー」
「ひとみ……お姉さんが?」
「ひとみんの為なら全財産なげうっても構わないよー」
いや、スケールデケェな。愛が重たい。悪くは無いけど。つーかこいつの全財産って兆単位なんだけど。
「そんな訳で、明日からよろしくねー、悟君」
「え、ええ、はい、分かりました」
多分面食らってんだろうな。明日から少しの間、私がつきっきりで教えるからね。
「ひとみんは私とデートしようよー」
「そんな暇あるか!」
「えー? じゃあ晩御飯の買い物は一緒に行こー?」
「……あんたが作るのに関わらないならね」
そんなこんなを話してその日は解散。私も朝は仕事に行かなきゃだからね。ハルとは三時半に待ち合わせ。晩御飯の買い物は私が買ってきてその間に部屋の掃除とか洗濯とかすると悟君とは約束した。
お風呂とかも長らく使ってなかったらしい。水道代が掛かるからと。仕方ないのでお風呂は私が精霊さんにお願いして掃除しよう。
「この扉を開いてはいけないよ」
「鶴の恩返しだ! お姉ちゃん、鶴なの?」
「いや、そうじゃないけど水とかはねるからね」
実際は大量の水で流して汚れを洗い流すんだけど。汚れに関しては水垢とか蒸発させる。削れた部分は土の精霊さんに修復してもらう。よし、完璧。




