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こんな風に引越ししたいものです
ででででで出るってなななな何が?
「そりゃあこの土地で出るとなったら、ねえ」
「ねえ、じゃないですよ! どういう事なんですか!?」
三井さんが説明してくれた事によると、ここに何度か店が建ったんだけど、その内出火したりしたんだって。なんだ。火の不始末か。気をつけないといけないよね。マッチ一本火事の元!
「ちなみに出火の原因は不明だそうだ。火を使う仕事をしてなかったし、タバコとか吸う人間もいなかった様だ」
えーと、じゃあなんで火が出たのかな? 放火なの? それはそれでヤバいけど。
「まあ、ここなら駅前で立地も良いし、オレはそういうの信じてねえからここでいいか」
ぐっ、源造さんが納得するならそれはそれで仕方ない。でも、それならもう来ない……って事は出来ないよね。融資の回収とかあるもん。
「じゃあここに引っ越すって事で。で、どうするんですか?」
三井さんがワクワクしながら聞いて来た。あー、えーと、ドライアド、どうすんのさ。
「だから、まずはパスを繋ぎなさい。空間的に繋げる……あ、ひとみは出来ないんだっけ」
「私は出来ないの!?」
「あんた、ユグドラシルの化身みたいなものだから空間繋げる様な術式とは相性悪いのよ。ユグドラシルは不動だからね」
って事はどこでもドア的な魔法は私のものにならないのか。じゃあ移動出来ないじゃん。
「移動は私が手伝ってあげるから、向こうで引っこ抜いてこっちで設置してよね」
引っこ抜く……? ああ、店ごと?無理じゃー!
「ベヘモスにでも頼みなさいよ」
「あっ、そっか。ベヘモス!」
「はいよ。狩りの途中なんだから手っ取り早く済ませてね」
「あんた狩りなんかしてんの?」
「新作が出たから。やっぱり弓だよねー」
あれか。ハルが言ってた「ひと狩りいこうぜ」ってやつか。ひと狩りって言うから吸血衝動とか出ちゃって「人」を狩るのかと思って焦ったんだけど。
「え? ハルもやってんの? フレンド申請しよっと」
「あー、いいんじゃない? きっと喜ぶよ」
グダグダ話しながら元の店の所に行く。中ではメイドさんが焼いたりして接客してる。
「……よく考えたら閉店後じゃないと拙いよね」
「もうちょい考えて呼んでよ」
ベヘモスは結局ハルとフレンド登録して狩りに行ってしまった。いや、呼べば来るって言ってたからいいんだけど。でも時間指定はされた。狩りの邪魔されたくないんだろう。
時間になるまでは源造さん連れて丸角不動産に行って色々手続きした。売買契約とかそういうの。その途中で抵当権抜くのに支店に戻って書類を取ってきた。支店長は騒いだけどハルの土地だけで十分な価値があるって事で何とか処理出来た。くっそめんどい。
閉店後、私も仕事を終えてから再び店に行く。今日も売上は順調の様だ。えーと、それじゃあ始めようか。ベヘモス!
「はいよ。じゃあ引っこ抜くよ」
地鳴りがすると思ったけど、そこは土を操るベヘモス。周りへの影響はなかった。さあ、じゃあドライアド、頼むよ!
「はいはーい。じゃあこれを魔力で包んで……ゲート! ベヘモス、それ持ったままここに入って」
「わかった。よっと」
ベヘモスの身体が空間の向こう側に消えた。
「じゃあひとみ、私たちも行くよ」
「オッケー」
ベヘモスに続いて私もゲートに入っていく。源造さんも一緒だ。というか源造さんはさっきから「おおおお」ぐらいしか言葉を発しなくなってる。……記憶消去とか出来たっけ?




