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さて、次回、大会運営委員()対楓軍!
「それなら特には要らないかなあ。ヘラクレスさんとは一度戦ってるしね」
「ふむ。ならば二番手の吉備津彦に譲る事になるが良いか?」
「拙者も要らぬ。おめおめと譲られるつもりは無い!」
ふらふらしながらも吉備津彦は立ち上がった。そしてよろめきながら楓ちゃんのそばに歩いて来た。
「見事であった」
「ありがとうございます」
「面妖な格好で面食らったがよく見ると動きやすそうな格好だ。動きが服で阻害されることもなさそうであるな」
「まあ究極的に言っちゃえば水着が一番良いんですけどね」
「水着? ああ、あの泳法の為のやつか。男ならふんどし一つで十分だ!」
なぜかばっと服を脱ぎ捨ててふんどし一丁になる吉備津彦。肉体的には筋肉質でかなりがっしりしてるし体型的にもスマートだから雑誌の表紙みたいなんだけど。
「やめてください、こんな所で脱ぐのは!」
楓ちゃんの左を軸足にした右回し蹴りがこめかみにヒットした。崩れ落ちる吉備津彦。再びKOだ。
「それでは表彰式に移ります!」
参加選手の殆どが集められ、再び直された闘技場に表彰台が備え付けられた。
「三位、哪吒太子」
楓ちゃんの試合の後に三位決定戦もあったんだけど、哪吒太子が最初から風火輪全開で攻め立てて終わり。平教経はいいところなかった。
「二位、吉備津彦」
吉備津彦は仲間に支えられての入場。そんなに痛かったかあの蹴り。
「優勝、カエデ・ミナヅキ!」
壇上へ進み、トロフィーを受け取った時だった。
「認めん、認めんぞ、こんな茶番!」
やって来る鎧の男たち。誰?
「我々はギリシャ神界の英雄、神に挑みしものなり」
えーと?
「あれは澪と同じ境遇のものでな、見込みがあると半神にしたものの未だに試練を突破できておらんもの達じゃ」
あー、何となくわかってきた。つまり、神になりたくて試練を受けたけど解決出来なくて燻ってる奴らか。
「どんな不正をしたのか知らんが、こんなにギリシャ神界が弱いわけが無い!」
「ギリシャ神界が弱まる様に細工をしたに違いない!」
「そうだそうだ、不正だ!」
口々に囃し立てる彼等。いや、騒いだところでどうもならんと思うが。
「我らを倒して不正が無かったことを証明してみせよ!」
「そうだそうだ、証明しろ!」
無茶苦茶言いやがって。停めるしか!
「あっ、待て!」
えっ、結界! しかも全然強度が桁違いだ!
「ギリシャ神界と北欧神界、それにエジプト神界の力を合わせてつくりあげたものだ。我々が介入することでは無いから乱入出来ないようになっておる」
「早く解除してよ!」
「大会が終わるまで解除出来んようになっておる」
「大会終わったじゃん」
「それを決めるのは運営委員たちじゃ」
「で、その運営委員って?」
「今あそこに居るものたちじゃよ」
つまり運営委員が大会の結果に納得いかないからやり直しを要求したってこと?
でも、楓ちゃん終わったばかりでかなりヘトヘトなのに.......
「心配要りませんわ、お姉様!」
その声は、澪ちゃん!
「楓は私の伴侶。危険な時には直ぐに駆けつけますから!」
「私達も居るから心配しないでいーよー」
「そうです、ひとみさんはそこでゆっくり見ててください」
「半神って切ったらどんな感触なんですかね?」
「ひー、なんで私まで。筋肉鑑賞しに来ただけなのにー」
「暴れていいの? やったぜ!」
「晶龍が暴れると会場めちゃくちゃになるから程々にしなさい」
みんなも.......なんか納得してない人も居るみたいだけど。




