495:闇の中の陰謀
なんか楓ちゃんが負けそうなフラグ(笑)
急なアクシデントで闘技場がぶっ壊れてどうするのかと思ったら予備があるそうだ。設置の為に待機。手伝おうかって言ったんだけどヘラクレスさんが一人で十分だって担いで運んで来てくれた。
「さて、強者の様々な姿を観てきたこの闘技大会もいよいよ決勝となりました。どうぞ最後までお楽しみください」
とはいえ、あのバケモノみたいな吉備津彦に勝てるのだろうか?
「青龍の方角、吉備津彦!」
わぁぁって歓声が巻き起こる。確かに強さだけ見ればダントツかもしれない。
「白虎の方角、カエデ・ミナヅキ!」
楓ちゃんはそんな中でゆっくり入ってきた。気力十分だ。
「おい、お主棄権せぬか? おなごを斬るのはどうも気が進まん」
「私の準決勝見てなかったの?」
「なんだと?」
ゴングが鳴らされ、戸惑ってる吉備津彦を他所に楓ちゃんが変わっていく。角が生え、身体は筋肉に覆われるかと思えばきっちりスマートになっていた。
「決勝だから出し惜しみ無し」
「これは.......! 鬼共の中にもここまでのは居なかったぞ」
「やる気になった?」
「相手が鬼なればもとより!」
吉備津彦も身体を膨れあがらせる。最早人間やめてる二人がぶつかり合った。
「吉備津彦さん、そんな温い一撃じゃ私に傷のひとつすらつけられないよ」
楓ちゃんが大きく振りかぶって弾丸の様なパンチを打ち込む。吉備津彦は刃でそれを抑えながら所々に攻撃をまぜていく。しばらく応酬があって吉備津彦が動いた。
「ぬうん! 喰らうがいい。岩砕剣!」
岩をも砕くその力って、闘技場また割れたんだけど!
「すごい威力だけど当たんないよ」
「なるほどな。ならばこれならどうだ?」
腰に着けていた小さな巾着袋からきびだんごを取り出した。そしてパクリ。
「うおおおおお、み な ぎ っ て き た!」
また剣を振るう。しかし、その速度はさっきまでとは比べ物にならなかった。楓ちゃんはかわしてはいるが何度もかすっている。
「さすがにこれまでは完璧には避けれぬ様だな。ならばこのまま一寸や五分に刻んでくれよう!」
「時代は今メートルだよ!」
冗談なのか分からないけど楓ちゃんはまだ余裕がありそうだ。でも実際かわせてないんだが?
「そろそろ良いかな?」
「何?!」
楓ちゃんの動きが急に変わった。明らかにさっきよりも速い。
「ぬ、これは一体.......」
「リミッター掛けたままじゃ勝てなさそうだから外したんだよ。外した相手は澪以外初めてだよ!」
そして楓ちゃんは夜に溶けた。姿が掻き消えたのだ。
「面妖な.......ぬうん!」
「無駄だよ。そんなとこには居ないから」
ザシュッと吉備津彦の背中に血しぶきが舞った。場を完全に支配してるのは楓ちゃんだ。
「なんなら闇雲に振ってみる? もしかしたら当たるかもしれないよ」
「ならばこうするのみ! 二つ目のきびだんご!」
吉備津彦の背中の傷が塞がっていく。そして吉備津彦は目を閉じた。
「心眼にてお相手仕る」
「目をつぶったら前から来てもわかんないんじゃないかなあ?」
ボソリと呟く楓ちゃん。あっ、それはいけない。
「そこだ!」
「うわっと! ほんとに目をつぶってんの?」
「目は開けずとも心の目は開いておる! 最早逃がさんぞ」
ジリジリと吉備津彦が前に少しずつ歩いていく。それは先程楓ちゃんの声がした方向.......




