491:Advent 〜降臨・闘神太子〜
斉天大聖とどっち出そうか迷いました。教経? いや、強いのは強いですよ。
第四試合は拳法家っぽい人。中国出身なのかな?
「やれやれ、間に合ったようだね」
「あれ? 黄帝様じゃないですか。それに西王母様も。お久しぶりです」
「来るつもりは無かったんだけどね。あなたが来てると聞いたら西王母が聞かなくてね」
「いやだわ、あなたこそもう一度お会いしたいって言ってらしたのに」
いや、まあそれは光栄ですけど私を肴にイチャイチャするのやめてください。ボディの様にダメージが来ますので。
「帝釈天様もお久しぶり。舎脂様はご息災かしら」
「ご丁寧にどうも。今日はあんな血なまぐさいところ行きたくないと同行を断られまして」
そうだったんだ。でも楓ちゃんも来てるんだから見に来てくれてもいいのに。
「とすると、あの者が中華の代表ですか?」
「はい、哪吒太子です」
「仙人じゃないんですか?」
「蓮の花の化身ではありますが仙人ではないですね」
納得いかんが出ているものは仕方ない。対戦相手は.......戦国武将?
「それでは第四試合、哪吒太子対平教経」
たいらののりつねぇ!? 源義経のライバルじゃん。
「今一度平家の武勇をこの世に轟かせようぞ!」
「少しは楽しませてくれよ」
ゴングが鳴って教経から仕掛けた。凄まじい勢いで突きを繰り出す。その切先を全て紙一重でかわす哪吒。
「へぇ、これはこれは.......」
よく見ると少しずつ刃の腹を殴って軌道を逸らしている。
「これは.......かなりつかえるのだな、貴殿は」
「これでも大将なんでね」
「奇遇だな、それがしもだ!」
哪吒が刃の腹を殴ろうとした瞬間、教経は更に突きの速度を速めた。そしてそれは哪吒の脇腹を抉ったのである。
「いったー! 痛くないけどいったー!」
大袈裟にゴロゴロ転がり回る哪吒。
「やってくれたねえ。じゃあこっちも本格的にぶっ殺すとしようか」
そう言ってお腹から刀を取り出した。
「砍妖刀、妖怪をぶった斬る刀だ」
「それがしは妖怪ではない!」
「妖、鬼、そういった人外にはとてつもなく効くのよ。ぶった斬ってもすぐにもとにもどるんだから気にすんな」
哪吒の猛攻。教経はほぼ防戦一方。私としてはどっちが勝ってもあまり変わんないけど。哪吒の連撃に懸命に抵抗する教経。よく息が続くな。
「哪吒は蓮の化身たから呼吸を必要としないし、教経にしても亡霊だから疲れるとかは無いんだよなあ」
いやまあそりゃそうなんですけど。うーん、やっぱり楓ちゃんが心配だわ。
「そりゃあ!」
「ぐはぁ」
闘技場に意識を戻すと、教経が膝を着いていた。これは決まりかな?
「縛妖索!」
「なっ! 動けん!」
「これはな、悪霊を捕まえる為のもんだよ。まあもう抜け出せんさ」
「ぐっ、うっ動けん.......レギンレイヴ様、すみません」
あのレギンレイヴなら気にしてないと思うけど。
「勝者、哪吒太子!」
歓声が浴びせられ、これでベストフォーが揃った。準決勝の組み合わせも再びクジなんだとか。選手はみんな体力回復のために夕方から試合ということになった。楓ちゃんの所に顔を出しに行くか。
部屋の中には既に澪ちゃんが、楓ちゃんにベッタリしていた。身の回りの世話は睦月さんと琴葉さんが頑張ってるみたいだ。
「楓ちゃん、調子はどう?」
「やー、面白いですよ。ワクワクします。誰と当たるんですかねえ」
本人がワクワクしてるならいいか。応援してるよ、楓ちゃん。




