489:チャンピオンへの道
声優の奥さんもプロレスラーの旦那さんもどっちも好きです。
楓ちゃんの三回戦の相手はペンテシレイアさんみたい。他の人も対戦が決まっていざ尋常に勝負!
第一試合はラモラックさんとなんか槍持ってて黒くて身体大きい人。何とか部族の勇者とか言ってたからその辺りの人。ラモラックさんとは打ち合いになったけどそのままラモラックさんが押し切って勝ち。試合時間はかなり長かったけど見るべくところはそんなに無い地味な削り合いって感じだった。
「あれが騎士たるものの戦い方よね」
ドライアドは妙に誇らしそうだ。まあ本人がいいならいいんだけど。二試合目には楓ちゃんが出てきた。
「この大会、ここまで残った女性は私たちだけ。どっちが真の女傑か決着をつけましょう!」
全く脳筋の戦闘種族め。
「真の女傑とか興味無いけど強い人とは戦いたいから大歓迎!」
すいません、こっちも戦闘種族でした。楓は野菜じゃないと思うんだけど。開始のゴングが鳴って二人が対峙する。ペンテシレイアさんは弓を既に引いていた。ひゃうど、という音が似合うような強弓が楓ちゃんを襲う。楓ちゃんはガバッと避けた。
「ふぃー。危ない危ない。弾き返そうと思ったら威力がデタラメなんだもん」
「アマゾネスの矢を甘く見て貰っては困るな。何千年と外界からの侵入者を屠り、狩り続けて来たのだ」
「だけど、避けられない速さじゃあ、ない」
ニヤリと笑う楓ちゃん。なんか悪役っぽいよ?
「なら、こういうのはどうだ?」
ペンテシレイアさんは再び弓を引いて矢継ぎ早に次から次へと矢を放っていく。
「うっわー、キツいキツいキツい!」
降り注ぐ矢の雨を右に左にと交わしていく。よく見ると楓ちゃんが避けていった方向に矢が飛んで来てるみたい。
「そらそら踊れ踊れ踊れ!」
ペンテシレイアさんすっかりご満悦。こういう所がアレスの血筋なのかも。でも一向に矢が無くならないのはなんで?
「あれは矢が尽きない矢筒だな。無限の剣製ならぬ無限の矢製と言ったところか」
なんですかそのアンリミテッドアローワークス。ってインドラ様サブカル詳しいんですね。
「楓がマンガを色々持ち込んだからな。興味を持ってしまって.......舎脂がな!」
照れなくてもいいのに。まあハルの家に行ったら色々揃ってますんで今度夫婦でおいでください。おっと試合試合。このままだと時間だけが過ぎていって体力ばかり削られるけと.......あれ? なんかだんだん距離縮まってない?
「な、なんで当たらない!」
「そりゃ避けてるからね、全部」
そうやってあと少しのところに来たらペンテシレイアさんは弓を捨てて剣に持ち替えた。
「その判断は正しいんだけど、これで私の勝ちかな?」
「黙れ! 弓だけではないということも教えてやる!」
そうして振り下ろした剣ではなく手首を掴んだ。
「つーかまえた!」
そして腕を引っぱって体勢が崩れたところにラリアット。ペンテシレイアさんは一回転して倒れた。観客の歓声が雨のように降り注いでいた。
「トドメっ」
その場飛びムーンサルトプレス! ペンテシレイアさんは完全に白目になっており動かない。そして何故かフォール。ちゃんと片エビ固めだ。
「ワン、ツー、スリー! カンカンカンカン!」
楓ちゃん、レフェリーとゴングは別に居るからね。
「勝者、カエデ・ミナヅキ!」
こうして三回戦も突破。楓ちゃんおめでとう。




