481:人畜無害! 私が日本一の桃太郎です!
おこし、につけ、たきび、だんご。
バッファローの突進を受けてラモラックとやらは完全に吹っ飛んでいったのだろう。土煙がもうもうと上がっている。
「ちょっと、いきなりやられてるわよ」
「落ち着きなさいって。ほら、あれよ。後ろに飛んで衝撃を吸収したのよ。ほら、立つよ」
視線を舞台にやると土煙の中に動く影があった。うん、確かに立ってるね。
「牛か。やれやれ闘牛は趣味じゃないんだが」
ラモラックは立ち上がってゴルドに余裕の笑みを浮かべた。
「手も足も出ないくせに強がるな! もう一度食らって死ね!」
ゴルドは再び同じようにバッファロー化してラモラックにつっこんでいった。
「私に二度同じ技は通用しないよ」
ラモラックは親指、人差し指、中指を上下に線対称になる様に構えて突進をそのまま受け止めた。足だってふんばっちゃいないが突進を受け止めてピクリともしない。
「な、なんだとー!?」
「ありゃな、突進の瞬間に衝撃を受け流してやがる。腕上げやがったな、あの野郎」
あれ? 素戔嗚尊様はお知り合いなの?
「前に何度か一緒に飲んだことがあったんだよ」
素戔嗚尊様には珍しく覚えてんのね。
「今回の大会で優勝出来たら戦ってやる約束してるからな」
へー、そうなのか。じゃあ楓ちゃんお邪魔だね。怪我しないうちに負けて帰ってこないかな。優勝? いいよいいよそんなの。あ、でも澪ちゃんの試練の件もあるのか。難しいところだ。そんなこんな考えてるうちに勝負がついたようだ。ラモラックさんが勝ち上がった。
「まあ楓は曲がりなりにも阿修羅王にすら勝ったんだ。そうそう負けはせんよ」
うん、まあ勝つって信じてあげないとかな。怪我とかは心配しないでいいって言われたし。現に今のゴルドとやらもすっかりピンピンしてる。これなら大丈夫かな。
試合は続いて色んな選手が入れ替わり立ち替わり勝負を繰り広げている。次のは.......随分と体格差が。さっきはゴルドが大きかったけど、今度は相手の大きさよりも小ささの方が目立つ。下手したら楓ちゃんより小さくない?
「随分と小さい人が出てきたなあ」
「おっ、なんだ吉備津彦じゃねえか」
おや、今度も素戔嗚尊様のおしりあいか。名前からして日本人っぽい。
「おいおい、桃太郎ぐらい知ってるだろう」
吉備津彦ってどっかで聞いたことあると思ったら桃太郎か!
それにしては犬も猿もキジも居ないけど。
「犬飼健、楽々森彦、留玉臣の三人なら観客席に居るぞ。元々お供なんか要らんぐらいには強えんだよ」
まあ鬼退治を人間一人でやり遂げてるもんね。ん? 鬼退治?
それって楓ちゃんと当たると拙いことになるんでは?
「まあ間違いなく全力で狩りに来るだろうな。そういう奴だ」
「後で素戔嗚尊様から話しといてくださいよ」
「よし、言っといてやるぜ」
おっ、素戔嗚尊様話がわかる。
「今まで戦った鬼とは比べもんにならんから楽しみにしてろってな!」
そうじゃないダルォ!
あ、戦いは桃太郎さんがあっさり相手を叩き伏せました。マジで強いでやんの。他にもケンタウロスの女性が居たり、バイキングみたいな奴が居たり、線の細い男の子がビームで勝ったりして、一回戦の試合が全て終わった。試合は二回戦へと進んでいくのであった。今日はその二回戦の最初を少しだけやるらしい。楓ちゃんは入ってないからもう休めるんだけど今日はどこに泊まるの?




