479:罪と罰〜全てはハイエルフのために〜
思兼神「ひとみに万一の事があった場合、これを開くが良い」
「ぐぬぬぬぬぬ.......」
こっちのVIPルームではゼウスが呻いている。
「はっはっはっはっ。どうだ。これでギリシャよりもインドの方が優れているのは間違いないだろう」
高らかに勝利宣言するインドラ様。勝ったなガハハ。
「ふん、あやつは元々出る予定ではなかった。必ず倒してみせると言ったから送り出したまでの事。まだ他にもおる。安心せい」
信じて送り出した息子が女の子にボコられて帰ってきた。まあ立場ないよね。それでもまだ崩れ落ちてないのは本当に本命が他に居るということだろう。
「それでは二回戦。カエデ・ミナヅキ対アル.......」
ちょっと待てーい! なんじゃそれは。楓ちゃん、今終わったばっかりじゃないか!
「いやー、どうやら運が悪い様だの、そちらは」
ゼウスがニヤニヤしてるから間違いなくギルティ。証拠? そんなものは無い。とりあえずこいつぶっ殺して考えるか。
「まあまあ待て待て。そんな殺気立つんじゃねえ」
いや、だって素戔嗚尊様、こいつらがひどい真似を。私にしてくるならいくらでも受けて立ちますが楓ちゃんは普通の女子高生なんですよ?
「いや、あんな普通の女子高生は居ない」
はい、インドラ様は黙ってて。
「組み合わせはノルンがやってんだよな。そういう事かよ。おいひとみ」
「はい」
「お前がノルンたちに指示を出せ」
「え? 私が指示を出すの?」
キョトンとする私。出来るの、そんなの?
「ふぉっふぉっふぉっ。あのノルン共がぽっと出の奴の指示なんぞ聞くものかよ。買収するのにも莫大な財宝が掛かったんじゃぞ」
買収してるってゲロっちゃってるけど良いの? でも私も指示出しても聞かないと思うんですけど。
「大丈夫だ。呼んでみろ」
「わかりました。まあ素戔嗚尊様がそう言うなら」
私は頑張って大声を出してみる。いや、歓声すごくて聞こえないよね.......あれ? なんかすごい勢いでここに向かってくる三人がいるんだけど。
「お呼びになりましたか、ハイエルフ様!」
「あ、はい。私がハイエルフですけど。なんで分かるの?」
「お身体から溢れるユグドラシルの波動.......間違えるはずもありません!」
えっ、そんなの出てるの、私? なんか臭ったりしない?
まあともかくせっかく来てくれたんだからダメかもだけど言うだけ言ってみよう。
「あのね、今から試合する楓ちゃんなんだけど連戦はあんまりだと思うから試合を変更して貰えないかな?」
「はい! わかりました!」
「ダメかもだけど休憩は大.......いいの?!」
「それがハイエルフ様の、ひとみ様のご命令とあらば!」
ばっと三人は散っていった。今からやってくれるんだろう。
でもなんで?
「上手くいったようだな」
「素戔嗚尊様、なんでああなるって分かってたの?」
「いや、知らん」
「は?」
「八意の奴に「もしかしたらこんな事があるかもしれないからその時はこれを」って預かった紙に書いてたんだが」
思兼神様孔明なの?
「解説してやるとだな、ノルンはユグドラシルの世話役で力の源がユグドラシルなのだ。つまり、そなたは力の根幹の化身って訳だ」
それで私に逆らえなくなってる訳か。納得。まあお陰で連戦させずに済んだ。楓ちゃんの試合は一回戦の全試合が終わるまで無くなったのでのんびり休めるね。




