478:ダイモス! 危機一髪!!(フォボスも)
まあやられるのは予定通りなので(笑)
燦然と輝く光の中から現れた巨大ロボット。一体は土偶? もう一体はトレーラー? と思ったらトレーラーは変形して巨人になった。スゲー! いや、でも最初から変形しとけば良くない?
「ようし、ならばフォボスいけい!」
土偶の方が楓ちゃんにつっこんでくる。
「ちょっと、あれはないんじゃないの? 反則でしょ?」
「武器として登録されておる」
あ、こいつら開催者権限で押し通すつもりだな。私が破壊してやろうか。
「ダメだぞ」
「いや、だって素戔嗚尊様。いくらなんでもあれは無茶ですよ」
「信じるのだ。己の友人を」
うーん、私は信じてはいるけど怪我とかして欲しくないんだよ。年頃の女の子だし。
「フォボス、下がれ。援護にまわるのだ。ダイモス、行け!」
土偶が下がって巨人が楓ちゃんの目の前に走り寄った。で、空手? なんでロボットがそのサイズで空手なんかする必要があるの? あなたの空手なんて見たくないよ!
「よっ、はっ」
当然、そんなのが楓ちゃんにあたる訳もなく軽々とかわしてるんだけど
「うわっち!」
回避した所に時々フォボスからのビームが飛んでくるんだよね。どうやらフォボスは砲台モードらしい。むむう、隙がない。
「はーっはっはっはっ! 見たか、オレの力を!」
「いや、あんたの力じゃないでしょ」
「持ってるもんは全て使う。それが戦いというものだろう!」
「勝てばどんな事しても良いって?」
「当たり前だ」
いやまあなんでもありの殺し合いならそれも分かるんだけど今日って競技大会じゃないの? スポーツじゃないの?
「そっか。それなら私も遠慮はしないよ。尼藍婆、毘藍婆お願い」
「「はっ」」
楓ちゃんの懐から二つの光の玉が飛び出してフォボスとダイモスを抑えつけた。いや、本当に。ちっちゃい光の玉なんだけど二体とも起き上がれない。
「なっ、なななななな何だそれは!」
「私の武器。文句ある?」
文句など付けられようもある訳が無い。「勝てばどんな事しても良い」という言質まで取っているのだから。でも、あれってよく見ると光の玉の中に女の子入ってるんですけど。
「尼藍婆と毘藍婆は楓の側仕えでな」
「それって乱入じゃ」
なんだよ、どこかの弾丸倶楽部かよ。
「まあ人の大きさとかには今はなれんが伝令とかで役に立っておる」
舞台上ではついにAさんと楓ちゃんが二人だけで向き合ってる。
「やっと二人きりですね」
「こんな熱烈なプロポーズは初めてだよ」
「違うっつーの。私はもう人妻なんだから」
まあその通りだ。現役女子高生人妻?ただし、相手も女の子だけど。
「この間合いなら.......貰った!」
不意をついたつもりかAさんが楓ちゃんに槍で殴り掛かる。楓ちゃんはその槍をいなすと側頭部に足の甲で蹴りを叩き込んだ。
「ブフォ!」
Aさんはそのまま吹っ飛んで壁にめり込んだ。フォボスもダイモスも動きを止めている。どうやらAさんの遠隔操作だった様だ。
審判さんが駆け寄って頬をぺちぺちしたり腕を上げてみたけど反応はない。やがて審判さんが戻って来てこう宣言した。
「戦闘続行不可能とみなし、勝者、カエデ・ミナヅキ!」
わああああという歓声が巻き起こった。楓ちゃんは光の玉を二つとも回収するとそのまま手を振りながら退場をして行った。楓ちゃん、お疲れ様!




