476:集え! ストリートファイターズ
ストリートファイターズってか英雄未満の奴らなんですけどね。
ゼウスの挨拶も終わり、予選が始まっていく。名だたる英雄達はシード枠で既に決勝トーナメントに入っているらしく、そうでない、これから英雄となるであろう人物たちがバトルロイヤルをするのだとか。
「楓ちゃーん、頑張ってね!」
で、楓ちゃんもここに放り込まれた。ヘラクレスさんの推薦枠じゃないの?
「インドの神の力、見せてもらおう」
「ふん、まともじゃ勝てんからと消耗させる気か?」
「そんな狡い手は使わん」
でも急遽決まったよね? なんか楓ちゃんは楽しそうだから良いけど。
「それではバトルロイヤル開始です! 最後まで立っていた者が勝利です」
ゴングが鳴り響き、壇上の奴らがいっぺんに動き出した。さながら小さな地震が起こる様な揺れまで感じた。あちこちで殴り合いが始まる。楓ちゃんは.......身体の大きい奴を相手に防戦一方だ。えっ、その人そんなに強いの? どうする? やるか?
「おい、ここからじゃ干渉出来ないようになっているが一応言っておくぞ。真剣勝負だから手を出すな」
そんな素戔嗚尊様、私がそんな事する訳ないじゃないですか。あははははは。
「あやつは巨人族の末裔でな。このバトルロイヤルの中でも有望株だ。組み合わせ次第では優勝も狙えるだろう」
ゼウスが得意気に防戦一方の楓ちゃんを見て騒いでいた。確かに楓ちゃんはなすがまま。いや、一応攻撃は全部避けている。ただ、一発も反撃は出来てない。壇上の奴らはどんどん少なくなっていき脱落者がそのまま控え室に帰っていく。
「楓ちゃーん、頑張ってー!」
「あっ、ひとみさん! でへへー、頑張ってますよ」
私の声援に気付いて手を振り返す楓ちゃん。あっ、バカ! 攻撃来てる。当たっちゃう!
「死ねや!」
パシッ
「あっ受け止めちゃった」
あの、体重差かなりあるんですけどそんな平然と受け止められましても。
「あーあ、もうちょい人が減ってから動こうと思ったのに。この人の相手してると他の人が近づいて来ないからちょうどいいと思ったんだけど」
楓ちゃんは腕一本でそのまま巨人を持ち上げて放り投げた。
「ほげええぇぇえええ」
あ、飛んでって.......空中で何かにぶつかった。なんだろう、結界かな?
「やれやれ、準備運動のついでに数を減らして欲しかったんだけど、そろそろ本気でいかなきゃヤバいかなあ」
巨人を投げ飛ばした楓ちゃんの周りを男たちが取り囲んでいる。ヨダレ垂らしてる奴もいるぞ。英雄色を好むってやつか。ヒーローはHとEROで出来ていますってか。
一番最初に動いたのは大剣を持った男。物凄い勢いで振りかぶって振り下ろす。岩をも砕きそうなその一撃は舞台に当たって舞台を砕いた。凄まじい斬撃だ。だが当たらなければどうということはない。楓ちゃんは既に攻撃に入っている。振り下ろされてる剣には目もくれず、真横からその男の顔面に拳を叩き込んだ。
「ぶれらっ」
楓ちゃんの死角からナイフを持った男が攻撃を仕掛けた。あれはヤバくない?
って思ったら楓ちゃん、しっかり気付いて反撃してる。蹴り飛ばしたよ。
「ならこっちを喰らえ!」
何本もの矢が飛んできた。えっ、弓矢とかありなの?
「へへーん、そんなトロいのあったりっませーん」
ひょいひょいかわしてるけどかなり速かったと思うの。楓ちゃんはそれ以上に速いけど。あっという間に弓使いとの距離を詰めるとそのまま殴り倒してしまった。楓ちゃん、改めて見るとかなり強いわ。




