475:もろびとこぞりて
神様大集合。
扉を開いた先にはゼウスと.......どっかで見たようなジジイ。誰だっけ?
「久しいな、ハイエルフの娘よ」
「.......ごめん、誰?」
「このオーディンを忘れたというのか!」
いや、ジジイに興味無いし。覚えてるジジイは高宮さんくらいだよ。
「あー、まあ忘れたものは仕方ないから改めて初めまして」
「とことんコケにされておるな」
「うるさい、黙れ」
オーディンとゼウスが言い争いをしていた。それをまあまあと宥めるドライアド.......
「あ、来た来た。こっちこっち、ひとみ」
「なんでドライアドまでいるの?」
「いい加減出て来いって言われてひとみがここに来るなら来るよって言っちゃったから?」
「ならここではティターニア様とか呼んだ方がいい?」
「やめてよ今更気持ち悪い。ドライアドのままでいいよ」
どうやらドライアドの振りして私と一緒にいるのは他の方々も知ってるらしい。というか下手をするとすぐ居なくなるから私のそばに居てくれた方が助かるんだとか。いや、分からんでもないけど。
「おお、結構来ているな」
あら、インドラ様に素戔嗚尊様も居るのね。
「コイツが今年は闘技大会に顔出すって言うから理由聞いたら楓が出るからってさ。娘の運動会に駆けつける父親かってーの」
「黙れ。曲がりなりにも四天王なのだ。易々とギリシャごときに負けてもらっては困る」
その言葉にゼウスが反応した。
「ギリシャごとき、だと?」
「ん? ああ、済まなかった。つい本音が漏れてしまったか」
「それは聞き捨てならんな。受けてみるか、神の雷を」
「忘れたのかスケコマシ。私は雷帝だぞ」
「面白い。どっちが真の雷撃を放てるか勝負してやろう」
「後で吠え面かくなよ!」
あー、はいはい。ちょっとストップストップ! ここで暴れたら大会どころか会場まで消し飛ぶでしょうが! ほら、オーディンも素戔嗚尊様も止めて!
「ぐぬぬぬ」
まだ遺恨の残る二人。どうすっかなあ。
「えーと、それならギリシャとインドでどっちの英雄が優れてるかで決着つけたらいいんじゃない?」
ドライアド!
「ほら、ちょうど楓が出るんだし、その為にインドラは来たんでしょ」
「まあ、そうだが」
「ゼウスもそれでいい?」
「うむ、構わん」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
私は声を上げた。そりゃそうだ。楓ちゃんに代理戦争させるってことでしょ? 楓ちゃんの身の安全が危ぶまれる。こういうのはエスカレートするのだ。
「楓ちゃんに万が一のことがあったら暴れますから。よく覚えておいてください」
「や、やめようよ、ひとみ。みんな脅えてるよ?」
「そうだぞ、落ち着け。あの楓がそう簡単に万が一に陥る事なんかあるわけが無いだろう」
ドライアドと素戔嗚尊様が私を止めるが撤回する気はない。大事な人を守るんだ。
「し、試合の結果で命を落とす事はないから安心してくれ。そこはアスクレピオスもおる事だしな」
アスクレピオスって医者の神様だっけ? へびつかい座のモデルだよね。でもなんで医者なのにへびつかいなのかな? レッドスネークカモン?
「うちからも要請があったからアシュヴィン双神を連れて来ている。問題ない」
どうやらインド神話の双子の医療の神らしい。どっちがどっちか見分けがつかないからまとめてそう呼んでるのだとか。本人たちにもそれで異存はないらしい。
「では、そろそろ開始だな。私は挨拶をしてくる。また後ほど」
そう言ってゼウスが観客席の方に進んで行った。




