新たな神官
シャボンの街に戻ってきたクロア。
戻ってきたな、見慣れた街に。結構久しぶりだから、なんだか新鮮な気分だ。
早速功国支部に行かなくては。
クロアは戻ってきたその足で、功国支部へと向かった。
◇
受付で挨拶を軽く済ませ、神官ゾルに会いに行く。
階段を上り、虹の扉を開けると神官ゾルはそこに座っていた。
「おお、戻ったかクロア君。捕まえられたとの知らせを聞いて心配していたんだ」
クロアを見るなり、駆け寄ってくる神官ゾル。
「ケガはないか?大丈夫だったか?なかなか使いの者が出せなくて悪かったね。
助けに行ったところで、その者が捕らえられてしまう危険があってね。
手の施しようが無くて困っていたんだよ」
「おかげさまで元気ですが。事件のほうはどうなりました?手紙は届いていたんですよね?」
「そうだね、手紙を見てすぐに本部のほうに手紙を送ったんだ。
そして数日前に明国の神官がここを訪れて、事態を変えるべくアジトのほうに向かったんだよ」
どうやら水晶玉の未来は本当だったようだな。
「なるほど、それで事態は変わったんですか?」
「ちょうど今頃にアジトのあたりに着いている頃だろう。どうやらクロア君と入れ違いだったようだが。
しかし、神官様の力なしにどうやってあの場所から脱出できたんだい?」
「それは長くなるので後で説明しますが……アジトに向かった神官というのは?」
「神官の中でも階級があってね、明国の神官は飛び切り優秀なんだ。
そのトップ2のサラ様とミゲル様が来られたんだ。事件は起きない未来に変わることだろうね」
「なるほど、ではどんな巨大な運命でも捻じ曲がるということですか?」
「クロア君は面白い表現をするね。
そうだね、大規模な事件でも二人にかかれば変わってしまうだろうね」
「例えばビア様と比べたら……」
「ビア様が二人いるようなもんだよ。あとこれは……あまり大きな声では言えないんだが」
「何ですか?」
「サラ様はとんでもない能力を持っているらしいよ。
なんでも大人数にも効く運命変更能力らしい。あくまで噂だけどね」
「それは興味深い話ですね」
◇
「反抗組織についてはこちらでも調べているのだが覆面集団は厄介だね。
今後対策をいろいろと考えなくてはならない。
聞くところによると明国からこちらに流れて来たらしいのだが、再度来ることも想定されている。
基本的には協会の嫌がらせをすることが目的らしい」
「それは大変なことになりましたね……」
「ともかくクロア君、今回君たちは役目を果たしてくれた。
とても大きな功績だ。神官になれるように大神官様に推薦しておこうじゃないか」
「それはありがたいことですね。ところで今セリスさんはどこに……?」
「ああ、今はビア様のところにいるはずだ。
クロア君の事をとても心配していたから、会いに行くといいだろう」
セリスさん、無事だったなら一安心だな。
ビアさんは……捕獲作戦の一件以来会ってないし、なんか会いづらいな。
未来予知を拒否し続けていたのもあるし。
そういや最近は全く未来予知が来なくなったな。やっと諦めてくれたのかな……。
「しかし、君の素質もまた一段と輝きを増してきたね」
「わかるんですか?」
「占い師としての力が上がると、素質の色もそれに応じて輝いて見えるんだよ」
「そうなんですか」
◇
ふう、最悪の事態ではなかったか。
協会と反抗組織が裏で繋がっていなくて良かった。
今俺にできることは、占い力をつけていくことだな。
黒の書を現時点で読むことができたのは幸いだった。
もう少し力をつければ、おそらくあの能力が使えるようになるはずだ。
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それから時は流れ、クロアとセリスは正式に神官に任命された。
町の中心地では、新たな神官が神官ゾルにより発表された。
ええ、この国の神官は六名になった。
あれから月日が流れたが、この国に三人しかいなかった神官が二倍になったことを光栄に思う。
だが安心してはいけない。最近世間では黒い噂が流れている。
しかし神官の力の前では無力だ。
用があるものは、シークスフィア協会を通じて正式な申請をして頂きたい。
ゾル
エルク
ビア
シロン
セリス
クロア
以上の六名がこの国の神官となった。下の三名が新たな神官となる。
今後も占い師は増える予定であり、このあたりの占い師不足は解消されたと思われる。
困りごとなどの相談は、気軽に最寄りの占いの塔を利用するようにしていただきたい。
では、私からは以上だ。
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