表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と追放されたお針子令嬢、神の裁縫チートで無双する〜呪われ公爵様にハグ専用服を作ったら限界突破で溺愛されました〜  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/15

最強の素材集めバウンティハンター、爆誕

最強の素材集めバウンティハンター、爆誕

「聞こえましたわよ、リゼットさん!! リゼットさんが服を作ってくださるなら、わたくしたちが世界中のスパチャを巻き上げて、世界樹の糸でも何でも買ってきますのーーっ!!」

ポポロ・コーポの共同食堂。バンッ!と勢いよく扉を開け放ったリーザちゃんの隣には、頭の上に光る天使のエンジェルリングを浮かべた金髪の美少女が立っていた。

彼女はビシッと私を指差し、自信満々な笑みを浮かべる。

「初めまして! アタシはキュララ。天使族にして、この大陸トップの登録者数を誇る『ゴッドチューバー』よ! アタシのビジネス(配信)に協力してくれない?」

「ご、ゴッドチューバー……?」

「神々が運営する動画配信サイト『ゴッドチューブ』で動画を配信して、広告収入や投げスパチャで稼ぐ最強の職業よ! アタシ、さっきのタローマンの駐車場での出来事を上空から見てたの。アンタの作った服……『絶対防御』の概念が付与されてるわよね?」

キュララちゃんの瞳は、リーザちゃんと同じようにギラギラとした「¥」マークに輝いていた。

「あの防御力をアタシの配信で使えば、絶対にバズるわ! だからアタシに、超絶可愛くて、なおかつ最強の防御力を持った衣装を作って! その代わり、公爵様の礼服に必要な激レア素材を買う資金は、アタシが配信で全部稼いできてあげる!」

なんと頼もしい提案だろう。

世界樹の糸や神話級の素材は、普通の市場には出回らないし、出たとしても莫大な金貨が必要になる。私一人のお針子仕事では、いつ集まるか分からない代物だった。

「待て」

だが、私の横でスウェットを着たギデオン様が、スッと手を上げた。

彼はルビーの瞳を細め、静かな、しかし威圧感のある声で言った。

「リゼットの夢――最高の服作りへの対価なら、俺が払う。俺はアバロンの筆頭公爵だ。世界樹の糸だろうが何だろうが、財産を投げ打ってでも用意しよう」

ギデオン様の言葉は本気だった。彼にとって、私に服を作ってもらうことは人生そのものを懸けた願いなのだ。

「ギデオン様……ありがとうございます」

私は彼に微笑みかけると、そっと首を横に振った。

「でも、ダメです。私があなたのために作る『最高の礼服』は、あなたのお金で素材を買っちゃ意味がないんです」

「どうしてだ?」

「だって、誰かのためにプレゼントする服は、作り手が自分で用意した素材で縫い上げるからこそ、愛がこもるんですよ。私はあなたに雇われる『専属お針子』ですから、あなたに恥じない最高の仕事と、最高のプレゼントをしたいんです」

私が胸を張って答えると、ギデオン様はハッと息を呑んだ。

「俺への……プレゼント……っ」

布越しに握っていた私の手が、ほんのりと熱くなる。ギデオン様の顔がまたボンッと赤くなり、彼は「ああ……すまない、俺はまた君に救われてしまった……」とポロポロと涙を流し始めた。強面なのに、本当にピュアで可愛い人だ。

「というわけだから、キュララちゃん、リーザちゃん! 私、あなたたちの衣装を作ります! 公爵様の礼服素材のために、一緒に稼いでください!」

「交渉成立ね! さっそく衣装を作ってちょうだい!」

「よろしく頼みますのーっ!」

 ◇ ◇ ◇

数十分後。私はポポロ・コーポのリビングにミシンを設置し、タローマンで買ってきた迷彩柄の布と黒のフリルレースを広げていた。

「キュララちゃんは天使だけどミリタリー系の武器を使うって言ってたから……タクティカル(戦術的)な要素を取り入れつつ、アイドルとしての『映え』を重視して……」

ダダダダダダダッ!!

私は完全に『ゾーン』に入っていた。【神の裁縫箱】の針と糸が宙を舞い、布地がみるみるうちに形を変えていく。

動きやすさを重視したプリーツスカートに、弾倉マガジンを収納できる機能的な黒レースのポーチ。背中の美しい白い翼を邪魔しないオープンバックのホルターネック。

(キュララちゃんがどんな無茶をしても絶対に怪我をしないように。『絶対防弾』『防爆』……そして配信画面で一番輝く『映え度MAX』の概念付与……よしっ!)

「完成! 特製『ホーリー・タクティカル・フリルドレス』です!」

「うわぁぁぁっ! すっごく可愛い!! しかも軽い! 何これ、サイコーじゃない!!」

服に袖を通したキュララちゃんは、全身鏡の前でくるくると回ってポーズを決めた。天使の輪と白い翼に、ミリタリーゴスロリのような衣装が絶妙にマッチして、とんでもなく魅力的だ。

「さぁ、鉄は熱いうちに打てよ! さっそく深夜のゲリラ配信を始めるわ! リーザ、撮影サポートよろしく!」

「任せてくださいですの! おこぼれのスパチャはしっかり回収しますの!」

強欲コンビはハイタッチを交わすと、すぐさまポポロ村の郊外にある採石場へと向かっていった。

 ◇ ◇ ◇

深夜の採石場。

魔導通信石と連携した浮遊カメラが、キュララちゃんを捉えている。

『こんキュラー! みんなの天使、キュララだよー! 今日は深夜のゲリラ配信に来てくれてありがとー!』

配信が始まると同時に、画面の端(私たちの手元の端末)に猛烈な勢いでコメントが滝のように流れ始めた。

【待ってた!】

【今日の衣装、いつもと違って超可愛い!!】

【天使のミリタリーとか最高かよ】

【赤スパチャ(チャリン♪)】

「ふふーん、今日の衣装は一味違うのよ。ポポロ村の『最強の専属プロデューサー・リゼットちゃん』に作ってもらった特注品なんだから!」

キュララちゃんはカメラに向かってウィンクすると、おもむろに背後から物騒な鉄の筒――ドワーフのドンガン帝国製『対戦車魔導ロケットランチャー(RPG-17)』を取り出した。

「今日はこの衣装の『防御力検証』をやっちゃうよ! みんな、瞬き厳禁だからね!」

【えっ】

【キュララちゃん何持ってんの?】

【それ戦車を木っ端微塵にするやつだよね!?】

コメント欄がざわめく中、キュララちゃんは至近距離の岩壁に向かってロケットランチャーを構えた。

いや、岩壁に撃つのはいい。問題は、彼女の立ち位置だ。爆心地から数メートルしか離れていない。

「アタシのプロデューサーが作った服は、絶対にアタシを守ってくれるの! ホーリー・メイクアップ!!」

ボガァァァァァァァァァァンッ!!!!

採石場に、轟音と猛烈な爆炎が巻き起こった。

画面が真っ白に染まり、爆風がカメラを激しく揺らす。

「キュララちゃん!?」

「ゴォッ!?」

私とギデオン様が思わず立ち上がった、その時。

黒煙の中から、咳き込むこともなく、ケロッとした顔のキュララちゃんが現れた。

「はい、無傷〜! すごくない!? これ、超至近距離で爆風浴びたのに、フリルの端っこすら焦げてないのよ!!」

彼女の着ているホーリー・タクティカル・フリルドレスは、爆風の煤ひとつついておらず、神々しいほどの光沢を放っていた。

『えええええええええ!?』

『嘘だろ!? 無傷!?』

『どんな魔導防具だよそれ!!!』

『可愛くて最強とか神かよ! 服作ったプロデューサー何者!?』

画面のコメント欄が、信じられない速度で滝のように流れ――直後、画面が虹色に光り輝いた。

【銀貨100枚のスーパーチャット!】

【金貨10枚のスーパーチャット!】

【アバロン魔皇国から金貨50枚!】

「キターーーーッ! スパチャの嵐ですのーーっ!! 『お賽銭箱型掃除機ルナ・サイクロン』、フル稼働ですのー!!」

画面の外で、リーザちゃんが巨大な掃除機型ガジェットを振り回し、虚空から降ってくる電子マネーと金貨の概念をギュインギュインと吸い込んでいる。

「ふふっ、みんなありがとー! まだまだ稼ぐよー! 次はこの服で魔獣の巣に突撃してみよっか!」

キュララちゃんが高笑いし、リーザちゃんが歓喜の舞を踊る。

ギデオン様は「……君の友人たちは、とても、その……バイタリティに溢れているな」と少し引いていたが、私としては服の性能が証明されて大満足だった。

その頃。

ポポロ村から遠く離れた、ルナミス帝国の王都。

煌びやかな屋敷の一室で、私の元婚約者である伯爵家の嫡男が、青ざめた顔で魔導通信石の画面(キュララちゃんの配信)を凝視していた。

「な、なんだあの服の異常な防御力は……!? それに、あのフリルの縫製パターンと糸の処理……間違いない、あれは我が家から追放した、リゼットの手縫いと同じだぞ……っ!?」

彼が私の服の真の価値に気づいた時には、すでに遅かった。

私のいない元実家には、ゆっくりと、しかし確実に『破滅ざまぁ』の足音が近づいていたのだった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

「強欲コンビの素材集め、えげつないww」

「公爵様がヒロインのプレゼント発言で泣いてるの尊い……!」

「元婚約者、やっとリゼットのチートに気づいたか(遅い)」

と少しでも楽しんでいただけましたら、

ぜひページ下部にある【★★★★★】の評価と、【ブックマークに追加】を押して応援をお願いいたします!

読者の皆様のポイントが、キュララちゃんの次なる過激配信のモチベーションになります!笑

次回、ついにリゼットを追放した元実家に異変が……!?

主人公が楽しく服を作っている裏で進行する「放置系ざまぁ」が始まります!

明日も更新予定ですので、ぜひブックマークをしてお待ちくださいませ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ