第62話:家族のお披露目会と、魔法のゴミ箱
「父上! 母上! オリカがまた素晴らしい魔導具を発明しました!!」
部屋を飛び出していったお兄様の声が廊下に響き渡り、あっという間にお父様とお母様を連れて戻ってきた。
「ルファス、廊下で大声を出すなと言っただろう……で、オリカが一体何を……?」
「まあまあ、オリカちゃんは何を作ってくれたのかしら?」
お父様は呆れ気味だったが、お兄様が『自動お片付けボックス』の実演として、手持ちのペンを箱の近くへポイと投げた瞬間、目が丸くなった。
すうっ……ぽんっ!
「な……っ!? 自律型の物品回収機能だと……!? これを紙一枚で……!?」
「まあ! 散らかりがちなおもちゃが勝手にお片付けされるなんて、なんてお利巧で素敵な箱なのかしら!」
お父様とお母様は大絶賛!
お母様はお片付けボックスを愛おしそうに見つめながら、ふと微笑んだ。
「ふふ、これでおもちゃのお片付けも安心ね。……もし、落ちているゴミを自動で集めてくれる箱もあったら、お部屋がもっとピカピカになりそうだわ」
(お母様のご要望だ! 任せて!)
お母様の一言を聞いた私は、さっそく茶色と白の折り紙を取り出した。
ちっちゃな手でパタパタと折り進め、深めの「大きな紙箱」を作りあげる。
(散らかった紙くずやポイ捨てされたゴミを、すうっと吸い寄せて集める『自動ゴミ箱』!)
仕上げにふうっ……と息を吹きかける。
ぽわんっ……♪
すると、折り紙のゴミ箱がほんのりと温かい光を放ち始めた!
床に落ちていた小さな紙くずや糸くずが、生き物のように『すうーっ……ぽんっ!』と自動でゴミ箱の中に飛び込んでいったのだ!
「なっ……! 特定のおもちゃだけでなく、『不要な廃棄物』だけを判別して引き寄せる術式だと……!?」
「まあ嬉しい! これでお掃除もとっても楽になるわねぇ」
『わんっ♪』
ゴミひとつない快適空間になり、ノワールも満足そうに尻尾をパタパタ。
お母様の「あったらいいな」を無邪気に叶えてしまったオリカに、公爵家のみんなはほっこり笑顔で拍手を送るのだった。




