第60話:小さな工夫と、お片付けの箱
騒がしかった学院長との面会も終わり、お屋敷にはいつもの平和な時間が戻ってきた。
私は自分の子ども部屋で、ノワールと一緒にラグの上に座り込んでいる。
膝の上ではノワールが気持ちよさそうに丸くなってイビキをかいていた。
(ふぅ……おじいちゃん賢者様、無事に納得してくれて良かったな)
私は部屋を見渡しながら、ふと考えを巡らせる。
一歳半になり、自分のお部屋で過ごす時間も増えてきたけれど、もう少しこの部屋を便利で可愛らしくできないだろうか。
(そういえば、前につくった神話級の『紙の小箱』があるけど……アレは貴重なものや隠したい物を仕分ける用だしなぁ)
あそこに入れるほどではない、床に散らばった小さなおもちゃやリボン。
それらを普段からパパッと手軽にお片付けできるものが欲しい。
(よし! アイテムボックスとは別に、お部屋用の『お片付けボックス』を作ってみよう!)
私はテーブルの上にあった色とりどりの折り紙を数枚手に取り、小さなお片付け用の「箱」を器用に折りあげていく。
指先で細かな折り目を整えてから、仕上げにふうっ……と息を吹きかけた。
ぽわんっ……♪
すると、折り紙の箱がほんのりと温かい光を放ち始めた。
床に散らばっていた木のおもちゃやリボンが、まるで磁石に吸い寄せられるように『ぽん、ぽん』と自動で箱の中に飛び込んでいく!
(わあ! お部屋専用の『自動お片付けボックス』ができちゃった!)
『ワンッ♪』
目を覚ましたノワールが、おもちゃが勝手に箱に入っていく様子を見て、不思議そうにシッポをパタパタと振っている。
私の小さな手から生み出される【折り紙魔法】の生活裏ワザによって、子ども部屋はどんどん不思議で快適な空間へと進化していくのだった。




