第46話:圧倒的無双と、絶望の制裁
「ギャアアアアッ!?」
ドカァァァンッ!!
お兄様の解き放った凄まじい雷撃と、お父様の地獄のような灼熱の炎が駆け巡る。
ほんの数秒前まで地下アジトだった場所は、一瞬にして影も形もない巨大なクレーターへと変貌した。
「ひいぃぃっ!? た、助けてくれぇっ!!」
「化け物だ……! あいつら人間じゃねえ!!」
逃げ惑う奴隷商人たちだったが、お父様の【土属性魔法】で足元の地面が生き物のように盛り上がり、全員がガッチリと捕獲される。
死ぬことすら許されない圧倒的な暴力。
お父様とお兄様は、失神しかける悪党どもの胸ぐらを掴み上げると、精神が崩壊するギリギリの極限まで恐怖の威圧を叩き込んだ。
「我が娘に……二度とその汚い瞳を向けるな」
「……命があるだけ感謝しろ。二度と光の差す場所へ出られると思うなよ」
「ひぃぐっ……!? ご、ごめんなざいぃぃっ!!」
失禁し、泡を吹いてガタガタと震え上がる奴隷商人たち。
そんな惨状の中でお兄様は真っ先にオリカの元へ駆け寄ると、優しく抱き上げてぎゅっと抱きしめた。
「オリカ……! よかった、無事で……本当に良かった……!」
(わあ、お兄様のお顔がすごく怖かったけど……抱っこはとっても暖かいな♪)
本当は縄も自分で解けて無敵のオリカだったが、涙ぐむお兄様の頭をよしよしとなでてあげた。
◇
やがて、お父様が動員した皇国騎士団と憲兵隊が現場へ雪崩れ込んできた。
しかし、彼らが目にしたのは、跡形もなく全壊したアジトと、精神が崩れて半狂乱になっている悪党どもの姿だった。
「ひっ……! か、閣下……これは一体……!?」
あまりの光景に、憲兵隊長は顔を蒼白にして震え上がる。
「憲兵。このゴミ屑どもを引き取れ。……もし万が一にでも逃がすようなことがあれば、貴様らの首も飛ぶと思え」
お父様の冷徹な一言に、憲兵たちは直立不動で青ざめた。
「は、はいっ!! 直ちに国家最深部の地下監獄へ幽閉いたします!
二度と太陽の光を見られぬよう、一生外へ出さぬことをお誓いいたします!!」
「……ノワール、良くやったな」
お兄様が声をかけると、ノワールは『わんっ!』と誇らしげに胸を張った。
無事にオリカを救出し、一行は激しい溺愛の待つエヴェレット公爵家のお屋敷へと帰路につくのだった。




