第34話:折り紙の首輪
秘密の森で出会い、
私の『ヒール(魔力1)』によって神獣化してしまったノワール。
『わんっ!』と嬉しそうに私の膝に顎を乗せてくる姿は、
どこからどう見ても甘えんぼうのワンちゃんだ。
(……うーん、でもやっぱり、
この子に何の目印もないのはちょっと不安よね。
何か可愛い首輪でも作ってあげたいなぁ)
お屋敷から既製品を持ってくるのも怪しまれそうだし、
それなら自分の手で作ってみようかしら。
(そういえば……前に『鶴』を折って以来、
折り紙の魔法って全然試してなかったわね!)
私はお屋敷からこっそり持ち出していた、
ただの「綺麗な白い紙」を取り出した。
デザインはもちろん、私とお揃いのカラー!
私の髪色と同じ「純白」の紙をベースにして、
私の目の色と同じ「鮮やかな紫色」の飾り模様が入った、
とっても上品でおしゃれな首輪を目指すことにした。
(ノワール、待っててね。
私とお揃いカラーの、素敵な首輪を折ってあげるから!)
私は草の上にペタンと座り、
小さな指先を一生懸命動かしながら、折り紙を開始した。
端と端をきれいに合わせて、キュッと折り目をつける。
白地に紫のアクセントが映えて、我ながらすごく良い感じだ。
(よしよし、いい形になってきたわ!
仕上げに、ほんの少しだけ……
首輪として丈夫になるように『強化』の魔力を込めて……)
私は完成間近の折り紙の首輪に、
ほんの気休め程度に「魔力1」を注ぎ込んだ。
(……あ。嫌な予感)
魔力を込めた瞬間――。
ふわぁぁぁっ……!
手の中のただの紙が、神聖な白と紫の光を放ち始め、
まるで生き物のようにしなやかな「最高級の革のような質感」へと
変化していったのだ!
『特殊生活魔法:ペーパークラフト(魔力1注入)⇒
【神獣の誓約輪】
の生成に成功しました。
※装着者の全能力値を大幅に引き上げ、
主との精神感応・絶対防護陣を展開可能にします』
(絶対防護陣!? また神級アイテム作っちゃったーーーっ!!)
ただの紙で作ったはずの首輪は、
白銀に煌めく美しい質感と紫の宝珠のような装飾を纏い、
完璧すぎる「神聖な装具」へと化していたのだった。




