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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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第2話:天使、最初の獲物(紙)を見つける




ステータスを確認したあの夜から、

数ヶ月が経った。



最強の健康体(HP無限)の

おかげなのか、

私の体は信じられないほど

順調に、すくすくと育っている。



寝返りは完璧。

最近では、ついに

ハイハイまでマスターした。



しかし、成長すればするほど、

エヴェレット家の

「オリカお嬢様監視体制」は

ますます強化されるばかり。



「ああ、見てくれエレノア!

オリカが自らの意思で

大地を踏みしめ(ハイハイ)、

私の方へ進んできたぞ……っ!

神よ、感謝します!」


「あなた、うるさいわ。

オリカ、お母様のところへ

おいで。ほら、新しい

特級魔獣のぬいぐるみを

用意したわよ」


「オリカ、僕のところへおいで。

ハイハイの練習用に、

中庭に最高級の絨毯を

100枚敷き詰めておいたからね」



……うん、一歩動くだけで

家族全員が大狂乱である。



(うれしい! うれしいけど、

これじゃ【折り紙】スキルを

試す隙が全くないのよ……!)



私の目的は、ただ一つ。

『紙』を手に入れて、

【折り紙】スキルを検証すること。



だけど、この部屋にあるのは

ふかふかのシルクや、

丸みを持たせた木のおもちゃ、

そして魔獣のぬいぐるみだけ。



赤ちゃんが口に入れたり、

手を切ったりしたら危険だからと、

私の周囲からは「紙」という存在が

徹底的に排除されていた。



(こうなったら、隠密行動よ……!)



チャンスが訪れたのは、

パパ(宰相ギルバート)が

私の部屋のソファで

仕事の書類を広げていた時だった。



パパは普段、私を抱っこしながら

片手で仕事をこなすという

器用な真似をしている。



「ギルバート様、陛下が至急

お呼びです。会議のお時間が……」


「ぬぅ、オリカとの癒やしの時間を

邪魔するとは、あのバカ皇帝め。

……オリカ、パパはすぐに

戻ってくるからね。いい子でね」



パパは私の額に深くキスをすると、

皇帝からの緊急招集に

珍しく眉をひそめ、

ソファの上に書類を残したまま

慌ただしく部屋を出ていった。



今、部屋にいるのは

少し離れたところで

お茶の準備をしているメイドさんだけ。

こちらに背を向けている。



(チャ、チャンス……ッ!!!)



私はベッドの柵の隙間から

するりと抜け出し、

ふかふかの絨毯の上を

音もなくハイハイで進んだ。



目指すは、ソファの上。



小さな手足をせっせと動かし、

なんとかソファの足元にしがみつく。

背伸びをして、

手をめいっぱい伸ばすと――



カサッ。



(と、とったわ……!!)



私の小さな手のひらに収まったのは、

パパが残していった、

何やら難しそうな文字が

びっしり書かれた白い紙。



普段なら鉄血と恐れられるパパが、

私の前でだけは

完全に警戒を緩めてしまうせいで、

うっかり置き忘れてしまった書類。



チラリと見えた紋章と単語から、

前世の知識がある私には

すぐに察しがついた。

これ、間違いなく本物の

『国家機密書類』だ。



(めちゃくちゃ重要そうな書類だけど、

背に腹は代えられないわ……!)



これを逃したら、次のチャンスが

いつになるか分からない。



(パパ、ごめんなさい!

あとで【錬金】とかで

なんとか元通りにするから許して!)



心の中でパパに

ジャンピング土下座をしつつ、

私は高級な羊皮紙の

程よい厚みと張りに

指先を躍らせる。



(ふふふ、ついに手に入れた。

これで【折り紙】スキルが

試せる……!)



最強の赤ちゃんは、

獲物(国家機密)をがっちり握りしめ、

誰にも見つからないベッドの影へと

音もなく引き返していくのだった。

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