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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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第27話:お兄様の涙と、大いなる超解釈




お兄様(ルファス)の金色の瞳から、

ハラハラと零れ落ちる美しい涙。

私は焦った。ものすごく焦った。



(お、お兄様、泣かないで!?

ただの、本当にただの絵本の絵んです!

そんな感動的な大魔法じゃないのよーっ!)



絵本の上では、デフォルメ姿の小さなウンディーネ様が、

私の指にすりすり甘えた後、

お兄様の涙をめずらしそうに見つめ、

パタパタと小さな手を振っている。

仕草は愛くるしいのに、佇まいは完璧に高潔な水の精霊だ。



お兄様は、片手でそっと目元を拭うと、

深く、深くため息をついた。

その金色の瞳には、妹への底知れないリスペクトと、

もはや狂信に近い絶対的な確信が満ちていた。



「……僕が甘かった。

オリカ、君は『愛されている』なんてレベルじゃない。

君こそが、この時代に現れた

『精霊たちに最も望まれ、世界を導く、新たなる聖女』なんだね」



(せ、聖女様キターーーーッ!!

ついにお兄様の中で、私、人智を超えた存在になっちゃった!)



「そもそも、絵本に描かれた簡易的な呪文や絵から、

高位精霊をこの物質界に直接、

それも、こんなに無害で愛らしい『極小の依り代』として

完璧に制限して顕現させるなんて……。

宮廷魔導師の長でも、絶対に不可能だ」



(違うの、お兄様!

ただ魔力1で生活魔法を使ったら、

絵本に描いてあった可愛いイラストが、

そのままのサイズで勝手に飛び出してきちゃっただけなの!)



お兄様は、私の両手をそっと、

まるで王に忠誠を誓う騎士のように包み込んだ。



「世界を脅かす邪悪から、この国を守るために、

精霊たちは君という光を、僕たちのもとに遣わしたんだ。

……安心しておくれ、オリカ。

この『聖女召喚の奇跡』も、僕の胸に一生しまっておく。

僕が強くなって、絶対に君を、悪い奴らから守る盾になるからね」



(お兄様がどんどん格好いい勇者になっていくわ……!

だけど、私のこの魔法は、

不浄を払うとか、世界を救うとか、

そういう大層なものじゃ全然なくて――)



そのとき。

『ピクチャー・クローン』による「一時的な実体」の限界がきたのか、

ぽんっ、と弾けるような可愛い音と共に、

ウンディーネ様はキラキラとした綺麗な水粒の光となって消え、

絵本は何事もなかったかのように、

ただの「可愛いイラスト」へと戻った。



静かになった図書室。

お兄様は、光の消えた絵本をとても愛おしそうに見つめ、

それから、私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。



「精霊が去ったあとも、

本に一切の焦げや水濡れ、魔力の残滓すら残さないなんて。

あまりにも完璧な、神の御業(みわざ)だ……」



(ただの、生活魔法の後片付け(クリーン効果付き)です……!)



お兄様の限界突破した「超解釈エンジン」は、

もはや、どんな物理法則の消滅すら

『神の奇跡』として脳内変換してしまう、

絶対無敵のシスコンフィルターへと進化していたのだった。

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