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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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190/198

第190話:漆黒の聖獣と、寄り添う心(ノワールの決意)



お兄様と別れ、ようやく自分の部屋へと戻ってきた。


月明かりだけが静かに差し込む部屋で、ベッドに腰を下ろすと、一気に肩の力が抜けるのを感じた。


「ふぅ……」


小さく息を吐いたその時、足元からトコトコと足音が近づいてきた。

漆黒の毛並みを月光に濡らした聖獣――ノワールだ。


「ノワール、まだ起きてたの?」


私が声をかけると、ノワールは返事の代わりに「ガルゥ……」と低い声を漏らし、しなやかな跳躍でベッドの上に飛び乗ってきた。


そして、私の膝の上にコロンと丸くなり、温かい頭を私の手にグイグイと押し付けてくる。


「あはは、くすぐったいよ」


その毛並みを優しく撫でてあげると、ノワールは満足そうに喉を鳴らし、じっと私の目を覗き込んできた。

その深い漆黒の瞳には、言葉以上の確かな意志が宿っている。


(大丈夫、私一人じゃないんだよね……)


聖獣として生まれ、私と契約を結んでくれたノワール。

これまでも、私が危機に陥るたびに真っ先に駆けつけ、鋭い爪と頼もしい身体で私を守り続けてくれた。


ノワールは私の手元にある魔導紙へと視線を向けると、鼻先でそっと突いた。

まるで「お前の作る紙の力を信じている」と語りかけているかのようだ。


「ガウッ!」


私の手をも一度力強く舐めると、ノワールは私の前で立ち上がり、小さな胸を誇らしげに大きく張ってみせた。


『お前が折り紙で世界を包むなら、俺はその中で一番鋭い牙となって、襲い来る闇を全て噛み砕いてやる』


言葉にはならなくても、魂の繋がりを通じてノワールの揺るぎない覚悟がひしひしと伝わってくる。


「ありがとう、ノワール。頼りにしているよ」


私はノワールのあたたかい体をぎゅっと抱きしめた。


ライアン君、エレナさん、エリアス先生、お兄様、そしてノワール。

みんなの決意と想いを胸に込め、私は魔導紙の束を強く握りしめた。


準備は全て整った。

大切な仲間たちと共に、明日、私たちは運命の地下大空洞へと挑む。

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