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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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186/198

第186話:託された背中と、不滅の盾(ライアンの決意)



地下大空洞へと続く重厚な鉄門の前。

夜風が不穏な静けさを運んでくる中、ライアン君は鞘から抜いた大剣の身を丁寧に布で磨いていた。


金属の澄んだ音が、静かな地下廊下に細く響く。


「ライアン君……」


私が声をかけると、彼はハッと顔を上げ、いつもの眩しいような笑みを浮かべた。


「なんだオリカ、眠れないのか? 明日は大一番なんだから、しっかり休んでおかないとだぞ」


「うん、でも……ライアン君がここにいるのが見えて」


私は彼の隣に歩み寄り、胸元に視線を落とした。

制服のポケットからは、先日渡した緑色の『折り紙の亀』の頭がちょこんと覗いている。


「ライアン君、私……すごく心強いよ。でも、明日はきっと今までで一番激しい戦いになると思うから……無理だけはしないでね」


私の言葉に、ライアン君は少しだけ驚いたように目を丸くし、それから大剣を勢いよく背中に背負い直した。


「無理なんてしないさ。……いや、無理をしてでも君を守るのが、俺の役目だ」


そう言った彼の表情は、普段の陽気なクラスメイトのそれではなく、一人の真摯な剣士の顔だった。


「俺さ、最初オリカに会ったとき、びっくりしたんだ。あんなにちっちゃくて華奢なのに、誰よりも頑丈で、誰よりも優しい結界を張るんだから」


彼はポケットの『折り紙の亀』にそっと指先で触れ、愛おしそうに目を細めた。


「この亀をもらったとき、確信したんだ。オリカの魔法は、ただの防御術なんかじゃない。俺たちを傷つけさせないための『優しさ』そのものだって。だからさ……今度は俺の番だ」


ライアン君は私の正面に立ち、力強く自分の胸を叩いた。


「オリカがみんなのために完璧な結界を張れるように、俺が一番前で敵の攻撃を全部弾き返してみせる。君の背中は、俺が命がけで守るからさ!」


「ライアン君……っ」


「だから安心して、一番後ろでドーンと構えててくれよな! 俺たちの最高の結界術士さん!」


悪戯っぽく笑いながら親指を立てるライアン君の姿に、私は不安が吹き飛んでいくのを感じていた。

私を信じ、背中を任せてくれる前衛の存在――それが、私にどれほどの勇気を与えてくれるか。


私は強く頷き、感謝を込めて微笑み返した。

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