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『白髪の天使は折り紙を折る 〜HP無限の転生令嬢、最強の家族にノンストップで溺愛される〜』  作者: CASCADE


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181/198

第181話:守るための亀と、かけがえのない絆



旧校舎へと続く固く閉ざされた扉を背に、冷たい夕風が廊下を吹き抜ける。


私はポケットから二つの小さな折り紙を取り出し、そっと手のひらに載せた。


それは、重厚な甲羅の模様をあしらった、緑色の「折り紙の亀」だった。


「エレナさん、ライアン君……これ、持っていてくれませんか?」


「え? 折り紙の……亀?」


受け取った二人が不思議そうに首を傾げるのを見て、私はまっすぐに二人の目を見つめた。


「……お兄様たちが厳重に警戒していることや、さっきの不気味な残留魔力……やっぱり、何かが起きようとしているんだと思います。そして、もしかしたら……私を狙っているのかもしれない」


「オリカちゃん、それは――」


「お二人には、いつも本当に親しくしてもらっていて……すごく嬉しいんです。でも……私の近くにいることで、二人まで危険に巻き込まれてしまうかもしれない。それが、すごく怖くて……」


前世の病室でずっと一人だった私に、あたたかい居場所をくれた大切な友達。

二人を絶対に傷つけたくないという思いが、胸の奥から溢れ出してくる。


「この亀には、私の絶対耐久の魔力を組み込んであります。もし二人が予期せぬ攻撃を受けた瞬間、自動で『絶対防御の甲羅結界』が展開して、あらゆる衝撃から守ってくれるように作りました」


「オリカ……」


ライアン君が手のひらの上の小さな亀を見つめ、静かに息を吐いた。

そして、フッと柔らかい笑みを浮かべると、その亀を大事そうに制服の胸ポケットへと仕舞い込んだ。


「受け取るよ、オリカ。……でもな」


ライアン君は自分の腰の剣を軽く叩き、力強く言葉を続けた。


「俺たちが君と一緒にいるのは、巻き込まれてるからじゃない。俺たちが、オリカの友達でいたいからここにいるんだ」


「そうよ、オリカちゃん!」


エレナさんも胸の前でしっかりと亀を握りしめ、優しく微笑んで私の手を包み込んでくれた。


「守られてばかりじゃ、友達失格でしょ? 危険だからって離れるくらいなら、最初から一緒に戦うわ! でも……このお守りは、オリカちゃんの優しさとして大切に持っておくね」


「二人とも……っ」


二人のあたたかい言葉に、視界がじんわりと滲む。


「ガウッ!」


足元のノワールも「いい仲間を持ったな」と言わんばかりに、私の足に優しく体を擦り寄せてきた。


「……はい! ありがとう、二人とも!」


渡した『折り紙の亀』と、交わした強い絆。

忍び寄る闇の気配を前に、私たちの心はしっかりと一つに結ばれていた。

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